2008年11月17日 (月)

ハンドシェイク 回路

ハンドシェイク回路 Book ハンドシェイク回路

著者:田島 一
販売元:新日本出版社
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 ハンドシェイクとはモデム間のやりとり等、相手を確認して行う人間の握手と同様、確実にデータが伝達されることを目的とした伝達手段のこと。
 大企業で思想差別と闘ってきた主人公沖元の差別是正後の、新しい闘いの展望を描いた小説。

 思想差別で仕事も与えられない中、スキルアップを備えてきた沖元は差別是正後、社の命運をかけたプロジェクトに配属される。
 続くサービス残業、寮住まいの若者たちは昼夜なく休日も酷使されていく。定年を2年後に控えた沖元も例外ではない。
 サービス残業是正の運動の中で、沖元は仲間うちからも、その働き方を批判されてしまう。

 いい仕事をしたい、そして出来ればまっとうに評価されたい…と思うのは当たり前の事。若い技術者とそういう連帯を持てるまでのやりとりもこの小説の魅力だ。
 対仲間・対職場・対管理職との新しい闘いの中で、沖元は日々「このままでよいのか」と苦悶する。
 声高にではなく、誠実に確実に相手に伝わる言葉で伝達すること(=ハンドシェイク)、それが答えのひとつと読めた。

(AKIYO:記)

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2008年10月10日 (金)

戸村飯店青春100連発

戸村飯店青春100連発 Book 戸村飯店青春100連発

著者:瀬尾 まいこ
販売元:理論社
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こてこての大阪の下町の中華料理屋が舞台の青春ストーりー。男兄弟ってこんなもんだよなって思わせる。そういえば俺も、中学入ってからは兄貴とほとんど口をきかなかったあ。家になじめない長男と周囲に自然ととけこめる若者らしい次男。対照的なふたりの描き方がおもしろかった。

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2008年10月 6日 (月)

愛のあとにくるもの

愛のあとにくるもの Book 愛のあとにくるもの

著者:孔 枝泳
販売元:幻冬舎
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熱い熱い日韓ラブロマンス。しかし、ただのラブロマンスではない。二人には日韓の苦い歴史の重みが覆い被さってくる。大の日本嫌いの祖父の言葉「若いお前たちにこれ以上我々の傷を引き継がせてはいけな」が心に響いた。辛く哀しい歴史を正視しながら、しっかりと前を見る主人公に共感した。

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2008年9月24日 (水)

私たちの幸せな時間

私たちの幸せな時間 Book 私たちの幸せな時間

著者:孔 枝泳
販売元:新潮社
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資産家の娘と貧しく暴力をふるう父の家庭で育った青年、傲慢と誠実、虚飾と真実、罪と罰そして生と死。みごとなコントラストに彩られたヒューマンストーリー。まさにうちのめされるような1冊です。著者は1997年12月30日、過去数十年で最大の規模の23人に対する死刑執行のニュースを聞いたのがきっかけとなり本書を描いた。犯罪と被害者とその家族、刑務官、教導官、弁護士、死刑囚、修道女、神父と取材を重ねて、その恐怖感と闘いながら構想していったという。それだけに、ノンフィクションばりのリアルさと迫力に満ちている。訳者の蓮池さんが書いておられるように、読んでいる時は「重い」が読んだ後は心が「軽くなる」、、重厚な作品でした

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2008年9月20日 (土)

庭の桜、隣の犬

庭の桜、隣の犬 (講談社文庫) Book 庭の桜、隣の犬 (講談社文庫)

著者:角田 光代
販売元:講談社
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お互いなんの影響も与えない夫婦。そんな夫婦のあり方をコメディータッチで描く。混じり合わない人間どうしの希薄な関係が微にいり細にいり描かれていておもしろい。

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2008年9月18日 (木)

猛スピードで母は

猛スピードで母は (文春文庫) Book 猛スピードで母は (文春文庫)

著者:長嶋 有
販売元:文藝春秋
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表題作と「サイドカーに犬」を収録。1970年代産まれの少年時代の描写が懐かしく楽しかった。シャイな親子の荒っぽいがやさしい会話が心をあたためてくれる。

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2008年8月 5日 (火)

福袋

福袋 Book 福袋

著者:角田光代
販売元:河出書房新社
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8編の短編小説集。人はとんでもなく見かけによらない者である。それに突然気づいてしまう恐怖感。兄弟や恋人、配偶者、親、わかっているようで、自分の全く知らない一面をかいま見たときの納得のいかなさ、驚き、やるせなさ。なかなかに奥の深い短編集であった。

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2008年7月 4日 (金)

草の巣

51qwbvs6z8l_sl500_aa240__2 角田光代

草の巣

「草の巣」と「夜かかる虹」を収録。「草の巣」は、ねっとりとした無口な男が架空の「家」をつくろうとする物語。私は「夜かかる虹」の方が面白かった。姉妹のねじれた感情がリアリティーたっぷりに描かれていて、少し怖い。

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2008年6月26日 (木)

リンさんの小さな子

リンさんの小さな子 Book リンさんの小さな子

著者:フィリップ クローデル
販売元:みすず書房
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この本に出会えてよかった。読み終わるのが惜しく思える本でした。水彩画のように淡くシンプルな文章の積み重ね。しかし、どんどん老人の思いが伝わってきます。戦争が生みだした悲しい物語をこれだけ淡々と描いた作品に今まで出会ったことがなかった。時をおいて、もう一度読み直したい1冊でした。

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2008年6月23日 (月)

メフェナーボウンのつどう道

メフェナーボウンのつどう道 Book メフェナーボウンのつどう道

著者:古処 誠二
販売元:文藝春秋
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ビルマ(現ミャンマー)に派遣された従軍看護婦たちが病院を捨て350キロの道のりを撤退していく物語。戦場の病院では看護婦らしい仕草を完全に封印しなければならない。でも、これでいいのかと悩む看護婦たち。途中で合流する従軍慰安婦たち。「ビルカン」と呼ばれる現地で採用したビルマ人の若い看護婦。それぞれの心の内を繊細に描いた作品。

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