傷ついた画布の物語
| 傷ついた画布の物語 |
戦没画学生慰霊美術館「無言館」の創立者である著者が画学生一人ひとりの生い立ちを追い取材した作品。表現したい、もっと勉強したい、そんな無念が濃厚に伝わってくる。若くして逝った画学生一人ひとりの姿を追うことによって見えてくる戦争の不条理。ここに登場する若者たちも戦闘で死んだ人は少ない、病死、餓死が圧倒的多い。あの戦争はなんだったのか、戦没画学生たちが私たちに伝えるものは…。
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戦没画学生慰霊美術館「無言館」の創立者である著者が画学生一人ひとりの生い立ちを追い取材した作品。表現したい、もっと勉強したい、そんな無念が濃厚に伝わってくる。若くして逝った画学生一人ひとりの姿を追うことによって見えてくる戦争の不条理。ここに登場する若者たちも戦闘で死んだ人は少ない、病死、餓死が圧倒的多い。あの戦争はなんだったのか、戦没画学生たちが私たちに伝えるものは…。
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地獄の日本兵―ニューギニア戦線の真相 (新潮新書 273) 著者:飯田 進 |
20万人以上の日本兵が上陸したニューギニア戦線の3年間の「戦闘」の真相に迫る作品。戦闘で死んだのはごく一部の兵士にすぎなかった。ほとんどの兵士が飢えと疲労とマラリアなどの伝染病で死んでいった。その凄惨な戦いをリアルに再現してくれる。あの戦争のひとつの真実がここにある。
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ボローニャ紀行 著者:井上 ひさし |
ボローニャは市民のレジスタンスでナチスの侵略をうち破った都市だ。その闘う伝統が今も息づいている。戦後、アカの街には補助金を出さないという攻撃にも、毅然と受け取らずがんばった心意気がすごい。市民の街を愛する心情、心意気に感心する。まさに連帯と協同の街づくりが実践されている。協同組合方式で事業化して行政が補助して成功させる知恵に感心した。こんなに愛せる自分たちの街があるということにうらましさを感じた。
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フランスジュネスの反乱―主張し行動する若者たち 著者:山本 三春 |
パリ郊外でおきた車の焼き討ち事件の背景が詳細に語られている。50年前に建てられた郊外の団地に移民2世、3世が収容されている。若者には仕事もない厳しい現実。毎日あじあう屈辱。少年二人の死から起きた若者の反乱と政府の対応の過ちが明らかにされる。そして、若者への解雇自由化法案の上程。フランスじゅうの組織がたちあがった。日本とおなじように新自由化路線が多くのワーキングプアを産みだしている。しかし、貧困は中流の暮らしをしている人にはみえない。それを顕在化させたのが、この2つの事件だった。フランスの労働組合、学生組織の闘う伝統はしっかりと次世代に引き継がれている。ワクワクするような闘いのダイナミズムがリアルに表現されていておもしろい。闘いは紆余曲折を経て前進していくことを物語ってくれる。
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ミャンマー―失われるアジアのふるさと 著者:坂斎 清,乃南 アサ |
ミャンマーに住み、生きる人々の息づかいがほんのりと伝わってくる。日本のニュースから漠然と感じる「怖ろしい国」というイメージとは違うミャンマーの姿がここにある。貧困にあえぐ人々、ひたすら祈る人々、祭りを精一杯楽しむ人々。日本から訪れた旅人にやさしい態度で接してくれるミャンマーの人々。何度持てもあきない素晴らしい写真がリアルにこの国の人々の一断面を伝えてくれる。そして、この国には第二次世界大戦で日本軍によって侵略された傷跡が生々しく残っている。
引用
「祖先とよぶにはあまりにも近い世代の日本人が刻みつけた歴史を、どう感じ取り、自分の中でどう処理すれば良いものであろうか。(略)たとえ戦争の実態を知らない世代であっても、この国の至る所に広がる緑を眺め、亜熱帯の強烈な陽射しと湿度の高い空気の中に身を置けば、時としてヒルに血を吸われ、マラリア蚊に全身を刺されながら、喘ぐように深い森の中を進まなければならなかった日本人たちのことを思わないわけにはいかない。なぜ、こんなところまで来なければならなかったのかと思う。哀れさと無念さ、憤りとやるせなさに胸が痛む。
同時に、勝手に踏み込んでこられて、何もかも奪われなければならなかった土地の人々のことも考えずにはいられない。彼らこそいい迷惑だ。イギリスといい、日本といい、国境を隔てた隣国ですらないのに、わざわざ遠いところからやってきて、人の土地を踏み荒らし、破壊し、血を流させ、家族を奪い、どれほどの人生を変えてしまったか。」
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ハロー、僕は生きてるよ。―イラク最激戦地からログイン 著者:カーシム・トゥルキ |
アメリカ軍がイラクで何をやってきたか。メディアは報道しない。その一端が本書から見えてくる。ファルージャの近くの町ラマディに住む青年が書いたブログとメールを元に彼の友人、高遠菜穂子と細井明美が再構成したもの。米軍に怯える住民、家族を殺され怒りに震えレジスタンスにむかう青年たちの姿がリアルに描写されている。著者のカシームは徹底して非暴力でこの事態を改善したいと願い、行動する。彼の願いが実現し、ラマディに平穏な日々が戻ってくる。今、彼らのの手で町の再建が取り組まれている。
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自衛隊員が死んでいく―“自殺事故”多発地帯からの報告 著者:三宅 勝久 |
武富士から1億1000万の損害賠償を求める口封じ裁判をおこされ話題をよんだ著者が、自衛隊員の借金が元での自殺の多さに気づき取材が始まった。そこから自衛隊員の異常な自殺率、組織の閉鎖性が浮き彫りになってきた。本書ではいじめによる自殺から遺族が国倍訴訟をおこした例や婦人自衛官のセクハラ訴訟などがとりあげられている。それぞれ裁判で明らかになった事実をもとに、丹念な取材がなされている。自衛隊という組織は国民を守るより、自らの組織を守ることの方を優先する組織だ、ということがよくわかった。戦艦武蔵のさいご (フォア文庫 C 17) で乗組員の渡辺清が描いた、古参兵が後輩の兵をいびり、いじめ、暴行を加えるという旧軍の図式は全く変わっていない。旧日本軍の血が脈々と現在の自衛隊に受け継がれているとは驚きであった。現代日本の常識が通用しない巨大組織が多額の税金で賄われているとは!!怒りを感じずにはおれない1冊でした。
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ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112) 著者:堤 未果 |
黒田清日本ジャーナリスト新人賞を受賞した報道が教えてくれないアメリカ弱者革命―なぜあの国にまだ希望があるのか と重複する部分があるものの、さらに取材は深くイラク戦争がひきおこしている弱者へのしわ寄せに向かっている。最終章 世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」は、高い医療費などによって貧困層に陥った労働者が派遣労働者として戦場へ向かい、白血病に冒されさらに苦しい生活を余儀なくされる家族を描いている。戦地への派遣労働者は死んでも遺体は祖国に帰ることはない。また戦死者としてカウントされることもない。それは「自己責任」の一語でかたづけられてしまう。弱者の視点からのパワフルな取材がもうひとつのアメリカを教えてくれる。
あとがきから引用
一つの国家や政府の利害ではなく、人間が人間らしく誇りを持って幸せに生きられるために書かれた憲法は、どんな理不尽な力がねじふせようとしても決して手放してはいけない理想であり、国をおかしな方向に誘導する政府にブレーキをかけるために私たちが持つ最強の武器でもある。それをものさしにして国民が現実をしっかりと見つめた時、紙の上の理念には息が吹き込まれ、民主主義は成熟しはじめるだろう。
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カブール・ノート
戦争しか知らない子どもたち
1979年12月25日のソ連軍のアフガン侵攻は衝撃的だった。翌年のモスクワオリンピックは西側諸国がボイコットした。あれから29年、アフガニスタンは戦争と内戦を繰り返していたのだ。戦争しか知らないこどもたちしかいないのだ。「とにかくみんな、出ていってくれ、我々の問題は我々だけで解決すると言いたいアフガン人が多いんじゃないだろうか」。タリバン政権がオサマ・ビン・ラディンをかくまっているというだけで報復戦争をはじめたアメリカ。タリバン政権が人権を侵害しているからと政権を崩壊させた。しかし、その後はアメリカの思い通りには進まず、内戦が激化しNATO軍が出動しているが、先が見えないたたかいになっている。もう、外国勢力はいっさい手をひき、アフガニスタン人の手に国の再建をまかせるしかないのではないか。西側や先進国の良かれと思って行う「人道的」な行いが悪い結果を産んできた歴史から学ぶ必要があるのだろう。アフガニスタンという国をちょっと知ることができた。
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憲兵政治―監視と恫喝の時代 著者:纐纈 厚 |
2007年6月6日日本共産党の志位委員長が行った「自衛隊による違憲・違法の国民監視活動を告発する」という記者会見は大きな衝撃を与えた。内容は自衛隊がイラク派兵反対などの市民運動や労働組合の活動を監視していたというものだ。この時のマスコミ報道で軍事専門家が「軍隊が国内の治安情報を集めるのは当然」というコメントをだしていたのを覚えている。自衛隊が国民の意思表示である集会やデモ、宣伝活動を敵視し恫喝する行為が当然と言えるのか。本書は国民を監視し、戦争に異を唱える国民を治安維持法により逮捕し拷問した体制を分析し、現在の自衛隊の国民監視にいかにつながっているのかを論証している。
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