2008年5月31日 (土)

生き延びるための思想

生き延びるための思想―ジェンダー平等の罠 Book 生き延びるための思想―ジェンダー平等の罠

著者:上野 千鶴子
販売元:岩波書店
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「はじめに」から興味をぐんぐんそそられる

表題は「あげた手をおろす」である。9.11以降繰り広げられた「報復」の世界へ解決のための思想を繰り広げている。

珠玉の言葉がいっぱいだ

フェミニズムとは?市民権とはその歴史は?ジェンダーとは?男並みに戦う=すなわち全てに置いて平等という事の危険性・罠を解き明かす

(akiyo記)

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加害者は変われるか

Book 加害者は変われるか?―DVと虐待をみつめながら

著者:信田 さよ子
販売元:筑摩書房
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被害者支援とか被害者の権利という言葉は最近になってようやく根付いたと言える。「同情を寄せる」ことではない被害者支援に言及し、「加害者支援」を通して暴力を、罪を掘り起こす。第3章のドメスティックバイオレンスは、衝撃的だがその被害者心理にたどりつけることができる。「強姦は前もって綿密に計画される」という事を初めて知った。阪神大震災の直後も、表沙汰にならない事件が多数あった事実には驚愕を超えて、その種の人間への不信感さえ持ってしまった。

そういう加害者は果たして変われるのか…その方向性を明確にしている。

(akiyo記)

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2008年1月23日 (水)

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ 東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
セブンアンドワイ ヤフー店で詳細を確認する

遙 洋子

「どうしたら議論の実力を上げられるか」と、タレントとしての実力を上げるために、東大大学院人文社会系研究科教授:上野千鶴子さんの東大大学院の門をくぐった彼女の3年間の実録。
まずは周りの学生たち(例:ほぼ全員が英語の文献(原典)を読める)とのレベルの差どころではない、別世界に愕然とする。。
論文を読みまくりゼミに通ううちに、会得した議論の仕組みをシロウトにもわかりやすく解いてくれている。

「戦争がもたらした各国の社会形態からの歴史の警告」にふれた部分に最も興味をもった。

『個人は社会が要求する同調や参加から一歩距離をおいて、自己の責任において判断する秘密の時間、あるいは自由な空間を保持していなければならない(中略)自己自身による判断を生み出す拠点になるという点で能動的な態度設定をもちうるための不可欠な条件なのである』(山之内靖「方法的序論ー総力戦とシステム統合」)

遙さんはこの文献から「ひとりの時間を持ちなさい。自由にものを考えなさい。決めつけず、逃げず、面倒くさがらず、人と相対しなさい」という事を導き出す。

「社会から一歩距離をおいていても能動的な態度設定(面倒くさがらず人と相対する)」をしなけりゃ「社会はいつでもおっきな権力の思うがまま」ってことだ。

終章近くに「ケンカに勝つ十箇条」なるものが挙げられているが、それすらも「広い知識」を得るための「学び」の上でしか役には立たないと記す。

(記:aki)

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2007年12月14日 (金)

結婚帝国 女の岐れ道

Book 結婚帝国  女の岐れ道

著者:上野 千鶴子,信田 さよ子
販売元:講談社
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 生きにくい30代女性に向けての本。
 30代女性を「日本社会が根底から変化するその過渡期の世代」と見る社会学者・上野千鶴子さんと「母親達に両立不能な期待(いい成績をあげてやりたいことをやりなさい・やはり結婚、出産してこそ女)を寄せられた世代と見る臨床心理士・信田さよ子さんの対談。
 30代女性の意識と行動の「股裂き状態」という問題もデーターをあげて論じていて興味深い。私は50代なんだが、これまで何故か年下の世代に「保守的」なものを感じていた理由が分かった。
 痛快であっぱれな二人は渡辺淳一センセの「たとえ女が金によってきても、金も男の実力のうち」とうそぶくのを「度し難い生き物」と言い切る。
 世界を放浪の果てヒマラヤで花嫁を見つけた一般的には美談だと思われる話にも「強制収容所」と弾ずる上野さん。夫しか頼れない孤島「日本」に連れてこられた花嫁の立場を思えば頷ける。
 お二人とも「あっぱれ」だと感じたのは「『自己実現』という幻想」のくだり。この二人をして今の仕事は、自己実現の賜物ではないと言い切る。様々な曲折を経てたどり着いてメシを食えているのが、たまたま今の仕事であるという。「生きがい」とか「やりがい」とか「生き様」なんて言わずに堂々と胸をはって言い切る姿はホントに心地いい。

今の30代、20代後半は、自己完結的な問いや考え方に芯まで染まっていて最後に「癒し」になだれこんでしまう風潮にあるという。
「自己完結・自己責任」を柱とするネオリベラリズム(新自由主義)の罠とも言うべきこの現象に警鐘をならしている。
 「まだ見ぬ未来」を頭に思い描ける想像力。この言葉も胸におちた。(記:aki)

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