2009年11月 7日 (土)

塩一トンの読書

塩一トンの読書 Book 塩一トンの読書

著者:須賀 敦子
販売元:河出書房新社
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主に新聞に掲載された本や映画にまつまるエッセー集。姑から言われた「ひとりの人を理解するまでには、すくなくも、一トンの塩をいっしょに舐めなければだめなのよ」のフレーズが題名に使われている。本とのつきあいも同じだと著者は綴っている。

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地図のない道

地図のない道 (新潮文庫) Book 地図のない道 (新潮文庫)

著者:須賀 敦子
販売元:新潮社
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ユダヤ人の友人の子どもの名付け親になった著者。その子を抱いて「おなじ血のこんな顔をした子供たちが、なにもいえないまま殺されていった歴史の重みが、私の腕のなかで泣いている気がした。」と綴っている。ベネチアのゲットの話も大変興味深かかった。

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2009年11月 2日 (月)

ミラノ霧の風景

ミラノ霧の風景―須賀敦子コレクション (白水Uブックス―エッセイの小径) Book ミラノ霧の風景―須賀敦子コレクション (白水Uブックス―エッセイの小径)

著者:須賀 敦子
販売元:白水社
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ミラノ、ナポリ、ベネチア、トリエステ…。イタリアの都市の風情や香りが漂ってきそうなエッセー集。特に、ベネチアという都市の見方が変ってゆくところが興味深かった。

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2009年10月28日 (水)

霧のむこうに住みたい

霧のむこうに住みたい 霧のむこうに住みたい

販売元:楽天ブックス
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読んでいると、イタリアのきれいな街並みが浮かびあがってくる。ユダヤ人の自由な出入りを禁じた地区ゲットの成り立ちも初めて知りました。ここちよいエッセー集でした。

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コルシア書店の仲間たち

コルシア書店の仲間たち (文春文庫) Book コルシア書店の仲間たち (文春文庫)

著者:須賀 敦子
販売元:文藝春秋
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書店と言ってもただの書店でhない。志を同じくする仲間が作った運動の拠点的な存在。そこに集ってくる仲間たちと著者との交流がイタリアの街を背景に綴られている。長い年月を経て熱く語り合った当初の理想もかすみ、書店も名を変えてしまう。

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2009年10月26日 (月)

私が見た戦争

私が見た戦争 Book 私が見た戦争

著者:石川 文洋
販売元:新日本出版社
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ベトナム戦争以来各地の戦場を取材してきた著者の写真と短文でまとめた記録写真集。著者の戦争を憎み、戦争で亡くなった人達の失われた未来への思いが強く伝わってくる。

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2009年10月22日 (木)

トリエステの坂道

トリエステの坂道 (新潮文庫) Book トリエステの坂道 (新潮文庫)

著者:須賀 敦子
販売元:新潮社
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大河ドラマのような短編集だ。20年前に亡くした夫への思いが刻まれ、そしてその家族・親戚とのつきあいが時を越えて深まっていくようすが心地よい。夫の両親の子どもを次々と失った哀しみが家全体を包み込んでいる。豊かな表現がイタリアの貧しい家族の暮らしを映し出す。イタリアの田舎の風景が美しく感じられる感動の作品でした。

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2009年10月19日 (月)

国際平和と「日本の道」

国際平和と「日本の道」―東アジア共同体と憲法九条 Book 国際平和と「日本の道」―東アジア共同体と憲法九条

著者:望田 幸男,杉本 昭七,藤岡 惇,浅井 基文,大西 広,田中 則夫
販売元:昭和堂
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2007年10月に出版されているので、当時の安倍政権の危険性がまざまざと表れている。最後の北朝鮮問題に対する浅井氏の論文は大変参考になった。

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平和構築

平和構築―アフガン、東ティモールの現場から (岩波新書) Book 平和構築―アフガン、東ティモールの現場から (岩波新書)

著者:東 大作
販売元:岩波書店
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著者は元NHKのディレクター。10年努めたNHKを退職し「平和構築に貢献できる専門家」をめざす。

戦争・紛争のの終結と平和の定着に何が必要か、何がネックになっているのか。現場でのインタビューと住民へのアンケート調査から明らかにしていく。アフガンの平和と復興へ日本の果たすべき役割を具体的に提起している。

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2009年10月 7日 (水)

沖縄密約―「情報犯罪」と日米同盟

沖縄密約―「情報犯罪」と日米同盟 (岩波新書) Book 沖縄密約―「情報犯罪」と日米同盟 (岩波新書)

著者:西山 太吉
販売元:岩波書店
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山崎豊子の「運命の人」の主人公が書いた本だ。密約に象徴される日本外交の国民軽視の姿が浮き彫りにされている。国民にウソをついて大切な国の進路を決めていく危険性は今もひきつがれている。米軍グアム移転はまさにその典型と言っていいだろう。民主党政権になってこれらの誤りが白日の下にさらされる事を望みたい。

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護憲派のための軍事入門

護憲派のための軍事入門 Book 護憲派のための軍事入門

著者:山田 朗
販売元:花伝社
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戦争を準備するためにはハード・システム・ソフトが必要になる。これを総合してみていかないと、的はずれな批判になってしまう。米軍と一体化した自衛隊の現実をよく見て、日本の安保問題を語ることが大切だ。

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認知症に向き合う本

認知症に向き合う本―治療・予防・介護のアドバイス Book 認知症に向き合う本―治療・予防・介護のアドバイス

著者:宮澤 由美
販売元:新日本出版社
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認知症も早期発見、早期治療が大切だということがよくわかった。この病気は漠然としか理解していなかったが、本書で見方が大きく変わった。また、近い未来には根治も可能になるかもしれない病気なのだ。たとえ認知症になっても、あきらめずに前向きに生きることの大切さ、周りのケアの大切を学びました。

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2009年9月29日 (火)

中年前夜

中年前夜 Book 中年前夜

著者:甘糟 りり子
販売元:小学館
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3人のアラフォーな女たちの微妙な心と身体の動きを描いた作品。

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2009年9月 1日 (火)

見えない暗闇

「見えない暗闇」 山田 太一著

ドラマの脚本のような小説だ。山田太一独特のセリフまわしが心地よい。2メートルの大男、しゃがれた中年声の美少女、気弱な小男。独特の世界が普通に生きている公務員の主人公を得体のしれない世界へとひきずりこんでいく。全く平凡な暮らしのリアルな表現と異常な世界が混濁する山田ワールドの佳作。

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ラスト シネマ

ラスト シネマ (光文社文庫) Book ラスト シネマ (光文社文庫)

著者:辻内 智貴
販売元:光文社
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輝いた一瞬が確かにあった。闘病している父の友人へたった一度だけ出演した映画を探し出す。コミカルでヒューマンな物語です。作者は1956年生れで、私と同時代なので共感するシーンが多々ありました。

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2009年8月29日 (土)

黒い手帳

黒い手帖―創価学会「日本占領計画」の全記録 Book 黒い手帖―創価学会「日本占領計画」の全記録

著者:矢野 絢也
販売元:講談社
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これを読むと、自民党が選挙に負ければ、公明党はあっさりと見放し、民主党と手を組むのは公明党にとってはごく自然なことだというのがよくわかる。政教一致という違法な状態を維持し会長の証人喚問を阻止するためには常に多数派にいなければならない。これが至上命題なのだ。

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2009年8月27日 (木)

運命の人

運命の人(一) Book 運命の人(一)

著者:山崎 豊子
販売元:文藝春秋
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ディテールのリアルが緊迫感を生んでいく鮮やかな展開に、ひきこまれ、一気に全4巻を読んでしまった。沖縄問題をなんとかアピールしたかったという想いが伝わってきました。まだまだ書き続けてほしい作家です。

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2009年8月17日 (月)

米原万里を語る

米原万里を語る Book 米原万里を語る

著者:井上 ひさし,金平 茂紀,吉岡 忍,井上 ユリ,小森 陽一
販売元:かもがわ出版
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故米原万里を偲ぶために山形のシベールアリーナ&遅筆堂文庫山形開催された米原万里展のイベントを一冊にまとめたのが本書。万里さんの奇才ぶり豪快な一面がそれぞれのスピーカーから浮き彫りにされる。お父さんの仕事で行くことになった在プラハ・モスクワ学校の体験が彼女の傑作、嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫) の出発点になっている。小森陽一氏も同じ学校に通っていたとは驚いた。

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強いられる死 自殺者三万人超の実相

強いられる死 自殺者三万人超の実相 Book 強いられる死 自殺者三万人超の実相

著者:斎藤 貴男
販売元:角川学芸出版
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自殺者一人に対し10倍の未遂者がいると言われている。今の日本は毎日1000人近くが自殺を試みている社会なのだ。本書は典型的な現代の自殺例を取材し、そこから社会のゆがみを告発しようと試みている。非人間的な労働を求める企業、それに沈黙せざるをえない労働者。それがうみだす悲惨な結末にさえ責任回避を必死に計ろうとする企業や管理者の姿が浮かんでくる。まして、国の機関である自衛隊においてさえその責任逃れは企業よりも数倍悪どい。企業や自衛隊のなかのなかの沈黙が産み出す死の構造は、まさに戦時中の特攻そのもの。間違っているのはわかっていてっも誰も止められないシステムになってしまって

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走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること Book 走ることについて語るときに僕の語ること

著者:村上 春樹
販売元:文藝春秋
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突然小説を書き出したように、突然走り出した村上春樹。これがもっとも彼にとって自然なのだ。年に1回はフルマラソンを走る。とにかく最後まで歩かないこと。老いていく肉体とつきあいながら走り続け、さまざまなことに思いをめぐらしていく姿がそのままエッセーになった1冊。

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2009年8月 4日 (火)

自衛隊 変容のゆくえ

自衛隊―変容のゆくえ (岩波新書) Book 自衛隊―変容のゆくえ (岩波新書)

著者:前田 哲男
販売元:岩波書店
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専守防衛の自衛隊がいつのまにか米軍の指揮下で動く攻撃型の軍隊に変質していた。国土防衛に必要無しとして持つことさえ禁止されていた空中空輸機も空母も事実上保有している。海外派兵が本務となった今アメリカと肩を並べて戦争に行ける状態になってきた自衛隊の素顔が少しみえてきたような気がする。あまりに実態が国民に知らされていない現実が怖い。年間5兆円もの軍事費の使い道はもっともっと論議されてしかるべきだろう。

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新エディターシップ

新エディターシップ Book 新エディターシップ

著者:外山滋比古
販売元:みすず書房
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第1次的創造と比べ編集の価値は低くみられがちである。編集によって素材の価値がいかに輝くか、本書は編集の意味について深い考察をおこなっている。人生そのものが編集だ、とは名言。人それぞれに取捨選択を行い生きている。機関紙の編集に携わっている身にとって勇気の湧く一冊でした。

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2009年7月15日 (水)

ことば汁

ことば汁 Book ことば汁

著者:小池 昌代
販売元:中央公論新社
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詩人だけあって文章が心地よい。6編からなる短編集。平凡な日常に潜む不可思議な世界。背筋がゾッとするような展開に魅了された。

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2009年7月 2日 (木)

聖域

聖域 Book 聖域

著者:大倉 崇裕
販売元:東京創元社
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本格派山岳ミステリー長篇。八が岳山系の塩尻岳を舞台にひきおこされる岳人の愛憎劇。ラストはなかなかの迫力で、手に汗握る展開です。読み応えたっぷりの1冊です。

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2009年6月24日 (水)

ルポ高齢者医療

ルポ 高齢者医療―地域で支えるために (岩波新書) Book ルポ 高齢者医療―地域で支えるために (岩波新書)

著者:佐藤 幹夫
販売元:岩波書店
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社会福祉予算をどう削るかばかり考えている厚労省の下、医療や介護のセーフティーネットから抜け落ちる高齢者が激増している。そんな中でも、医療、介護、福祉のネットワークづくりに熱意を燃やす医療人がいる。そんな先進例を取材し、ていねいにまとまめられている。今の社会に希望を失わず、厳しい制度の中やりくりし、目標に向かっている姿に共感を覚えた。

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2009年6月11日 (木)

正社員が没落する

正社員が没落する  ――「貧困スパイラル」を止めろ! (角川oneテーマ21) Book 正社員が没落する ――「貧困スパイラル」を止めろ! (角川oneテーマ21)

著者:湯浅 誠,堤 未果
販売元:角川グループパブリッシング
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派遣村は見えにくい貧困を全国民に見せ、画期的取組みだった。その後マスコミも貧困問題について報道するようになったが、一過性のものに終わってしまっている。貧困は現在なお深く広く進行している。気がついたらホームレスに!「こんなはずではなかった」という事が誰にでも起こりうるのが今の日本。貧困問題の本質、解決へ向けての道筋が示されている。

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2009年6月 8日 (月)

広告も変わったねぇ

広告も変わったねぇ。「ぼくと広告批評」と「広告の転形期」についてお話しします。 Book 広告も変わったねぇ。「ぼくと広告批評」と「広告の転形期」についてお話しします。

著者:天野 祐吉
販売元:インプレスジャパン
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消費者のマスコミ離れが進行するなか、広告の作り手は何をどう考えているもか?第一線のクリエーターと天野氏の対談集。話題づくりに今までの広告の範疇から抜け出た発想など、面白く読めました。

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2009年5月29日 (金)

ケアマネ白書

ケアマネ白書―現場の声が介護保険を変える Book ケアマネ白書―現場の声が介護保険を変える

著者:よりよい介護をめざすケアマネジャーの会
販売元:日本機関紙出版センター
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介護保険制度導入時の政府が言っていた「介護の社会化」はどこへいってしまったのか。介護保険の給付制限に血道をあげる政府の方針の下、介護保険制度は非常につかいづらい制度になってしまっている。本書はケアマネジャーから見た介護保険制度の問題点を実例を豊富にしめしながら浮き彫りにしている。専門職なのにそれにふさわしい処遇がなされていない現実。政府の手先になった給付制限をせざるをえない現実。こんな現実を現場から変えていこうというのが本書のねらいだ。まさに「たたかうケアマネ」が一人でも増えることを望みたい。

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2009年5月21日 (木)

生還 山岳捜査官・釜谷亮二

生還 山岳捜査官・釜谷亮二 Book 生還 山岳捜査官・釜谷亮二

著者:大倉 崇裕
販売元:山と渓谷社
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4編の短編山岳ミステリーを収録。舞台がどれもマイナーな山ばかりなのがおもしろい。寡黙な山岳捜査官の経験と勘による捜査の展開が面白い。著者は大学時代山岳系同好会に所属していただけあって、ディテールの表現もうまい。一息いれたい時に楽しめる1冊です。

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2009年5月20日 (水)

闘うドキュメンタリー

闘うドキュメンタリー―テレビが再び輝くために Book 闘うドキュメンタリー―テレビが再び輝くために

著者:川良 浩和
販売元:日本放送出版協会
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Nスペを中心に150本もの番組づくりを手がけてきた著者の後輩たちに伝えたい番組づくり論。映像だけにこだわっていたら真実を見逃してしまう。ものごとの本質を視聴者に届けられない。伝えたいテーマにこだわり動画のないテレビ番組に挑戦してきた。「見えないところにこそ重要な真実がある」とは至言。NHKのドキュメンタリーのおもしろさの源泉がこんなところにあったのだ。安倍元首相らによる番組改編事件が大きな影を落とし、それがかえってより視聴者に何を届けるべきかという論議を深め、よりよい番組づくりに繋がっている。いい番組づくりを応援していきたい。

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2009年5月 7日 (木)

小屋番三六五日

小屋番三六五日 (山溪叢書) Book 小屋番三六五日 (山溪叢書)

販売元:山と渓谷社
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山小屋の主人も時代とともに変化する。登山者のニーズに工夫をこらして応えようとする努力が伝わってくる。環境問題ではトイレ問題が頭痛の種。それぞれに研究・工夫を重ね、画期的な改善がなされている姿がよくわかった。こんな小屋なら泊まってみたいなと思ってしまう1冊です。

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トワイライト

トワイライト (文春文庫) Book トワイライト (文春文庫)

著者:重松 清
販売元:文藝春秋
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タイプカプセを開けようと30数年ぶりに集まった小学校の同窓生たち。万博が輝く未来を見せてくれていた時代に育ったこどもたち。太陽の塔も今ではひとり寂しく森の中に佇んでいる。少年時代は予想もつかなかった現在。ノスタルジックな作品でした。

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2009年4月27日 (月)

「自衛隊のイラク派兵差止訴訟」判決文を読む

「自衛隊のイラク派兵差止訴訟」判決文を読む Book 「自衛隊のイラク派兵差止訴訟」判決文を読む

著者:川口 創,大塚 英志
販売元:角川グループパブリッシング
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イラクでの空輸活動を憲法第9条第1項違反と断じた画期的な判決の判決文を原告が解説する。日本は間接的にしろイラク人の殺戮に手をかしてきたことが法廷で認定された。憲法九条をふみにじる行為が「国際貢献」の名のもとに堂々と行われてきたことに強い憤りを感じる。この判決文の深い意味をあいがわかりやすく語ってくれる。

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現代の戦争被害

現代の戦争被害―ソマリアからイラクへ (岩波新書) Book 現代の戦争被害―ソマリアからイラクへ (岩波新書)

著者:小池 政行
販売元:岩波書店
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ソマリアがなぜ海賊の国になってしまったのか、歴史的経過が簡潔にまとめられている、コソボ、ボスニア・フェルツエコビナ、イラク、アフガニスタンといまだ戦火はやんでいない。なぜ、人類は戦争を無くせないのかと問いかけてくれる1冊。

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遠くの声を捜して

遠くの声を捜して
配信元:電子書店パピレス
提供:@niftyコンテンツ

とにかく普通に暮らしていきたいと強く思っている男にふりかかった奇妙な体験。男が翻弄されつつも、自らの生き方を見つめ直す。山田太一のワンダーな世界を楽しめる1冊。

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冬の蜃気楼

【古本】冬の蜃気楼/山田太一 【古本】冬の蜃気楼/山田太一

販売元:ユーブック楽天市場店
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これは面白かった。へたな役者の大芝居。ちょっと切ない物語。山田太一独特のセリフまわしがふんだんに楽しめる。

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丘の上の向日葵

【古本】丘の上の向日葵/山田太一 【古本】丘の上の向日葵/山田太一

販売元:ユーブック楽天市場店
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昔見たテレビドラマの記憶を蘇らせつつ読んだ。日常のくらしに波風立てることが、そんなに怖ろしいことなのか?と問う著者の気持ちが伝わって来る。中年男の心情を存分に表現していておもしろかった。

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2009年4月18日 (土)

きみが最後に出会ったひとは なぎさの媚薬 4

きみが最後に出会ったひとは なぎさの媚薬 4 Book きみが最後に出会ったひとは なぎさの媚薬 4

著者:重松 清
販売元:小学館
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すこぶるエロチックな表現の多い大人のファンタジー小説。もしも過去に戻って自分以外の人の人生を変えられるとしたら、どうしますか。東電OL事件の被害者をなぞったような「なぎさ」と仲間の女性達が背負った哀しみを描く。

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2009年3月27日 (金)

母の日記

4125rk6av3l_ss500_ 窪島誠一郎著

「父への手紙」を読み、その後お母さんとはどうなったのか、気になったので読んでみた。実の父母に捨てられた意識の強い著者の屈折した思いがにじみ出ている。奥さんが冷静にそれを感じとって、思い悩む著者を軽くいなすところがオチになっていておもしろかった。

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2009年3月23日 (月)

田辺聖子の人生あまから川柳

田辺聖子の人生あまから川柳 (集英社新書) Book 田辺聖子の人生あまから川柳 (集英社新書)

著者:田辺 聖子
販売元:集英社
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日常の一場面を切り取り、笑の転化させる川柳の素晴らしさが実感できる。その深い味わいを川柳大好き人間の著者が軽妙なタッチで描いてくれる。

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時が滲む朝

時が滲む朝 Book 時が滲む朝

著者:楊 逸
販売元:文藝春秋
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天安門事件を軸に中国の民主化を求めた学生たちのその後の人生を描いた作品。海外に亡命した学生運動家たちの現実の生活に翻弄されていく姿が痛々しい。祖国の民主化を求め熱い血をたぎらせた仲間たちへのレクイエム。

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戦没画家 靉光の生涯

戦没画家 靉光の生涯―ドロでだって絵は描ける Book 戦没画家 靉光の生涯―ドロでだって絵は描ける

著者:窪島 誠一郎
販売元:新日本出版社
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夭折画家たちの作品を展示する「信濃デッサン館」、戦没画学生慰霊美術館「無言館」この両方に作品が展示されている唯一の画家あい光。あい光は六歳の時に叔父さんのところに養子にだされれいる。そこに着目して、新しいあい光像を提起している。後半は曖光を題材にした演劇台本「夢しぐれ東長崎バイフー寮」。1994年に劇団水曜座が初演し、劇団文化座が最近再演している。貧困にあえぎながら描き続けるあい光の鬼気迫る姿とともに屈折した思いが表現されている。戦時下の自由に表現できないもどかしさ、そんな中でも自由な表現を求める曖光の姿が切ない。

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2009年3月17日 (火)

すっぴんは事件か

すっぴんは事件か? Book すっぴんは事件か?

著者:姫野 カオルコ
販売元:筑摩書房
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身も蓋もないとはこのことか。男と女の違いは「鼻くそ」と「付録」とは、へんに感心してしまう一冊です。

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雁と雁の子―父・水上勉との日々

雁と雁の子―父・水上勉との日々 Book 雁と雁の子―父・水上勉との日々

著者:窪島 誠一郎
販売元:平凡社
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実の父との死とむきあう窪島のエッセー。実の父ではあるが、距離間をとった親子関係にしかなれなかった、悔恨の思いがつづられている。養父母もすでに亡くなっていたが、すなおに実の父とつきあえない複雑な心情が父の死後やっと明かすことができるようになった。

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同じ世代を生きて

同じ世代を生きて―水上勉・不破哲三往復書簡 Book 同じ世代を生きて―水上勉・不破哲三往復書簡

著者:水上 勉,不破 哲三
販売元:新日本出版社
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心臓病が縁で知り合った二人の心のこもった交流。FAXや手紙のやりとりの中に相手への気遣いが読み取れます。予期せぬ深いつながりに当人も驚きながら、親交がふかまっていくさまが愉快です。超多忙なふたりの意外な心の余裕に感心しきりです。

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2009年3月10日 (火)

父への手紙

父への手紙 Book 父への手紙

著者:窪島 誠一郎
販売元:筑摩書房
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自らの出生に疑問を持ちはじめ、実の親を捜しだす実話。養父母へのねじれた感情が赤裸々に語られていて、痛々しいくらいの気持ちになる。その間の著者の感情の起伏がリアルにつづられている。人の善意や養父母の慈しみも相対的なものにしか感じられない。ついには事実を隠し続ける養父母に生理的な嫌悪感さえ抱くようになる。自分がどこで誰から産まれたかわからないもどかしさが伝わってくる。実の親を求める過程はミステリアスでひきこまれていく。

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2009年3月 6日 (金)

犬のしっぽを撫でながら

犬のしっぽを撫でながら (集英社文庫) Book 犬のしっぽを撫でながら (集英社文庫)

著者:小川 洋子
販売元:集英社
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コラム、エッセー集。「博士の愛した数式」で数学を取り上げた著者の「数学の美」への感心が表現されている。また、タイガーズファンの著者のおもしろい一面も愉快であった。軽妙な語り口とはっとするような表現で楽しめた。

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2009年3月 3日 (火)

モズ

Book モズ―不思議なわすれもの (日本の野鳥)

著者:嶋田 忠
販売元:新日本出版社
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「はやにえ」のことは知っていたけど、あれは保存しているのではなく、単に食べる以上のものを取っていまったから、そのままになっているんですね。しかし、枝をフォークのように使うモズは器用だな。

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アカゲラ

アカゲラ―キツツキの森へ (日本の野鳥) Book アカゲラ―キツツキの森へ (日本の野鳥)

著者:嶋田 忠
販売元:新日本出版社
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産まれたばかりのヒナの姿にびっくり。アカゲラの巣の中は窮屈そうだが、あったかさそう。

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2009年2月27日 (金)

地域から健康をつくる

地域から健康をつくる―医療生協という挑戦 Book 地域から健康をつくる―医療生協という挑戦

著者:日野 秀逸
販売元:新日本出版社
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仕事で医療生協の機関紙づくりにたずさわっているので、大変参考になった。医療生協の原点を再度確認することができた。医療生協の組織問題を考えるうえでも大変参考になった。

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見なれた町に風が吹く

_ 山田 太一著

「見なれた町に風が吹く」

リアルな存在には感じないのに、フィルムを現像してみると予期せぬものが見えてきた。死んだような目、意欲のかけらもない顔、心の芯が冷え切ってしまった姿。生活はそこそこ豊かで、楽しそうにしていてもその実、心は冷え切っている。そんな心の奥底を映像でとらえた作品。現在の日本人にぴったりの問題提起だと思った。独特のセリフまわしでドラマの脚本のように緊張感漂う作品だった。

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2009年2月24日 (火)

青春は疑う

青春は疑う―ボクラ少国民の終焉 (山中恒少国民文庫) Book 青春は疑う―ボクラ少国民の終焉 (山中恒少国民文庫)

著者:山中 恒
販売元:辺境社
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中学1年生が見た戦中と戦後の世界がリアルに再現されている。軍国主義から民主主義への大転換。汚いおとなたちの生き方を痛烈に批判している。また、この大転換の中でどう生きていくか悩む姿や教育基本法を読んで感動するシーンなど新鮮であった。

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2009年2月23日 (月)

恋の姿勢で

_ 山田太一著

「恋の姿勢で」

34歳独身女性がアメリカで出会った11も年上の男と恋に落ちる物語。否定しても否定しても恋にとめどない感情がこみあげてくる。しかし、男は現実の世界で彼女と会おうとしない。嘘の世界こそすべて。嘘の世界と恋の真実が混ざり合う切ない物語。

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2009年2月19日 (木)

アカショウビン

アカショウビン―火の鳥に出会った (日本の野鳥) Book アカショウビン―火の鳥に出会った (日本の野鳥)

著者:嶋田 忠
販売元:新日本出版社
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泣き声も特徴のあるきれいな声です。兵庫県の沢に向かっている途中、運転手が「アカショウビンだ」と叫びました。残念ながら私は見ることができませんでした。残念!

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カワセミ

カワセミ―青い鳥見つけた (日本の野鳥) Book カワセミ―青い鳥見つけた (日本の野鳥)

著者:嶋田 忠
販売元:新日本出版社
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昨年の春淀川のわんどになっているところで見た真っ青な鳥はカワセミだったのだ。案外近場にもいるもんなんですね。

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2009年2月16日 (月)

ハルカ・エイティ

ハルカ・エイティ (文春文庫) Book (文春文庫)

著者:姫野 カオルコ
販売元:文藝春秋
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幼い頃から遠くから見ているだけでも励まされるような伯母がいた。伯母が高齢になってからもっと励まされた。これが本書を書くきっかけになった、と著者はあとがきで述べている。ノンフィクションではないが事実をもとにしたフィクション小説。80を過ぎた伯母さんの長ーい物語。戦前産まれの一人の女性が通ってきた道がすがすがしく描かれている。長い物語だが一気に読んでしまった。

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2009年2月13日 (金)

言葉と戦争

「言葉と戦争」加藤 周一
引用
言葉は、どれほど短くても、またどれほど多くの人々の声となっても、一台の戦車さえ破壊することができない。戦車は、すべての声を沈黙させることができるし、プラハの全体を破壊することさえもできる。しかし、プラハ街頭における戦車の存在そのものを正当化することだけはできないだろう。自分自身を正当化するためには、どうしても言葉を必要とする。すなわち相手を沈黙させるのではなく、反駁しなければならない。言葉に対する言葉をもってしなければならない。1968年の夏、小雨に濡れたプラハの街頭に相対していたのは、圧倒的で無力な戦車と、無力で圧倒的な言葉であった。その場で勝負のつくはずはなかった。

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2009年2月10日 (火)

戦争で死ぬということ

戦争で死ぬ、ということ (岩波新書) Book 戦争で死ぬ、ということ (岩波新書)

著者:島本 慈子
販売元:岩波書店
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憲法第九条のことを考える基本文献ともいうべき1冊。戦争は、人間を殺すことだという原点。いかに、それをリアルに相手の立場になって理解できるか。そうでないと、第九条を守るほんとの意味が理解できない。戦争は過去のものではない、現在地球上で実際に戦争によって人が殺されている。日本もそれに深くコミットしている。この延長線には第九条の改悪、そして日本軍がふたたび海外の人の命を奪うという結果が待っている。ほんとにそれでいいの?じっくり原点から考えてみようというのが著者からのメッセージだ。

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2009年2月 9日 (月)

貧困の現場

貧困の現場 Book 貧困の現場

著者:東海林 智
販売元:毎日新聞社
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企業は派遣労働という安くいつでもクビを切れる労働者を増やす一方、正社員には苛酷な長時間。超過密労働を強いてきた。そのゆがみがどんな形であらわてきているいるか、毎日新聞で労働畑を歩いてきた記者の渾身の一冊。取材中に涙を流す著者の心情に深く共感した。見ようとしなければ見えてこない貧困の実相を取材を通してリアルに伝えてくれる。一方で首切り、一方で過労死・過労自殺の歪んだ職場の実像が見えてくる。働く者が闘わないと、労働者は人間として扱われなくなる。労働者がひとつの利益を生み出す部品としてしかみていない経営者のモラルの無さが見えてくる1冊でした。

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2009年1月28日 (水)

キネマ旬報ベスト・テン80回全史―1924-2006

キネマ旬報ベスト・テン80回全史―1924-2006 (キネ旬ムック) Book キネマ旬報ベスト・テン80回全史―1924-2006 (キネ旬ムック)

販売元:キネマ旬報 社
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キネ旬ベストテンの歴史から映画の歴史が見えてくる。審査委員別の採点表がついて、へえー、こんな人がこんな映画を高く評価していたのかと興味深い。

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子どもの貧困―日本の不公平を考える

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書) Book 子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)

著者:阿部 彩
販売元:岩波書店
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日本は税、社会保険の負担が貧困層にも重くのしかかり、その上給付が少ないため、税の再分配機能がマイナスになっている先進国で唯一の国だ、ということを初めて知った。90年代増え続ける子どもの貧困率。持とうにも夢も希望も持てない子どもたちが増え続けている怖さを感じた。これが政治の責任であることを本書は鋭く論証・告発している。

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ルポ 労働と戦争―この国のいまと未来

ルポ 労働と戦争―この国のいまと未来 (岩波新書) Book ルポ 労働と戦争―この国のいまと未来 (岩波新書)

著者:島本 慈子
販売元:岩波書店
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今の日本には軍需産業に関わる労働者は6万人と言われている。専守防衛と言われていた時代は、自分の作った兵器が他国の人民を殺すことは具体的には考えられなかった。しかし、海外派兵は本来任務となった自衛隊は今後海外でどんな武器使用行うか、未知数になってきている。自分が関わった仕事によって他国の人間を傷つけてしまう。これが現実になろうとしている危機感で著者は本書を書き下ろした。いたるところ「軍事機密」の壁に阻まれながら精力的な取材を行った力作。その仕事でメシを食っていかなければならない労働者のジレンマがよく滲みでている。

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自衛隊―変容のゆくえ

自衛隊―変容のゆくえ (岩波新書) Book 自衛隊―変容のゆくえ (岩波新書)

著者:前田 哲男
販売元:岩波書店
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ソ連崩壊後の国際関係の変化が自衛隊をいかに変質させてきたのか。1995年の安保再定義、1997年の新ガイドライン、1999年の周辺事態法、2001年のテロ特措法、2004年の有事法制と日本はアメリカに従属しながら、着々と戦争準備を進めてきたことが鮮明に描きだされている。日米安保では「美しい属国」日本が実現しつつあるのだ。最後の一線が憲法第九条。海外派兵を本来任務にした自衛隊はこの一線をなんとか越えようと必死になっている。憲法九条を守る著者の道筋が具体的にしめされている。

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2009年1月23日 (金)

ミ・キュイ

ミ・キュイ Book ミ・キュイ

著者:甘糟 りり子
販売元:文藝春秋
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女性起業家のヒューマンストーリー。私は一生経験することのないセレブな世界、料理にしろワインにしろ服にしろとてつもない世界がリアルに描かれている。思いもよらないお金のかけかたに唸ってしまう。彼女の夫は広告代店に勤務する普通のサラリーマン。身の丈に合わない生活に違和感を感じながらも自らの存在価値を確認しながらいっしょに暮らしている。そんな彼女がマンションの隣室に若い男を入居させる…。

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2009年1月19日 (月)

天気待ち 監督・黒沢明とともに

天気待ち 監督・黒沢明とともに  /野上照代/著 [本] 天気待ち 監督・黒沢明とともに /野上照代/著 [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
セブンアンドワイ ヤフー店で詳細を確認する

戦後の日本映画の全盛期の高揚した雰囲気が伝わってくる。長い間スクリプターとして映画づくりに関わってきた著者が1990年から2000年にかけて映画雑誌に発表してきたエッセーをまとめたもの。黒澤映画の舞台裏がつぶさに描かれていておもしろい。当時の映画をとりまく人々の情熱のほとばしりが感じられる作品。

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2009年1月15日 (木)

忘我のためいき

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小池真理子著

スクリーンに現われる役者から伝わってくる男くささ、女くささ。そんな観点から女優、男優を著者のセンスで評したエッセー集。「どこか蔭を感じる」江角マキコ、「少女がそのまま、おばさんになった」風吹ジュン、などなかなか共感できる表現に、思わずほくそえんでしまう。

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2009年1月 5日 (月)

名作の戦争論

名作の戦争論 Book 名作の戦争論

著者:川田 忠明
販売元:新日本出版社
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クラッシック音楽のオタクと自称する著者が、ベートーベンやシューベルト、ハイドンの作品に当時ヨーロッパで戦われていた戦争がどう影響しているのかを探る。またオペラの作品についても戦争の影を指摘する。また、現在の音楽シーンでも、マドンナが環境保護、戦争反対の熱いメッセージを送っているこたや対テロ戦争に対して芸術家が作品を通して異論を唱え始めている現状などつぶさに紹介してくれる。

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ぼくの映画人生

ぼくの映画人生 Book ぼくの映画人生

著者:大林 宣彦
販売元:実業之日本社
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少年時代から納戸にあった映写機で遊んでいたという。この機会が映像を映し出すものだとわかり、自分なりに工夫して簡単なアニメを作り出す。そこから学生時代にコマーシャルフィルムの制作に入っていく。尾道3部作など独特の町並みの撮り方など制作の裏話や監督のポリシーがよくわかる1冊。現在では大学の教授にもなっており、若者とのコミュニケーションから生まれた明るい希望の持てる話もおもしろく読めた。

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生まれたら戦争だった。

生まれたら戦争だった。 生まれたら戦争だった。

販売元:楽天ブックス
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映画監督神山征二郎の自伝と全作品の制作秘話。独立系の監督が資金調達にどれだけ苦労しているかがよくわかる1冊。この映画を作りたいという志を持った人々が尋常ならざる熱意で資金を集めてこそ映画づくりの第一歩が始まる。日本では資金の心配をせず映画を作れるのは山田洋次監督ぐらいだという。真面目に映画づくりと向き合ってきた監督の背筋がピンと伸びた姿勢が伝わってくる本であった。1941年生まれの監督の戦争のとらえ方、平和の大切さをストレートにではなく映画という作品としてメッセージを受け取ってもらいたい、という思いが伝わってきた。

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映画でわかる世界と日本

映画でわかる世界と日本 Book 映画でわかる世界と日本

著者:佐藤 忠男
販売元:キネマ旬報社
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映画はその国や民族の「自惚れ鏡」になっている。たとえば戦後隆盛を極めたイタリアリアリズムの作品はレジスタンスを描いているが、イタリアはファシズムの国でもあった。ファシズムに同調していった国民の姿はあらわれてこない。同じような事が世界の映画についてもいえる。その国や民族の誇れる部分を拡大し観衆に見せていくというのが映画なのだ。映画から世界を見る場合そこに気をつけなければならない。

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2008年12月25日 (木)

山田和夫・世界映画の発見

山田和夫・世界映画の発見 Book 山田和夫・世界映画の発見

著者:山田 和夫
販売元:新日本出版社
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戦争と平和と映画につて、新しい視点を与えてくれる。9・11以降のハリウッドの動きは興味深かった。戦意高揚にかたむく映画会社の姿勢が如実に現われている。一方では、ファシズムや赤狩りと闘った映画人たちの姿がいきいきと描かれている。映画が社会に与える影響の大きさを再認識した。

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2008年12月22日 (月)

キムはなぜ裁かれたのか 朝鮮人BC級戦犯の軌跡

キムはなぜ裁かれたのか 朝鮮人BC級戦犯の軌跡 (朝日選書) Book キムはなぜ裁かれたのか 朝鮮人BC級戦犯の軌跡 (朝日選書)

著者:内海 愛子
販売元:朝日新聞出版
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BC級戦犯として起訴された約5700人のうち、朝鮮人148人が有罪になり23人が死刑になっている。朝鮮人戦犯のうち129人が捕虜収容所の監視員だった。日本軍は朝鮮の青年を徴用して捕虜収容所の監視員にあてた。しかし、監視員にはジュネーブ条約も日本の捕虜取り扱い規則も教育していなかった。朝鮮人の監視員はジュネーブ条約違反者として戦犯になっていく。日本軍の国際条約無視の捕虜政策が生んだ悲劇である。著者は徹底的に日本軍の捕虜政策を事実から調べおこして問題点を鋭く追及している。

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2008年12月20日 (土)

セーヌの川辺

セーヌの川辺 Book セーヌの川辺

著者:池澤夏樹
販売元:集英社
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フランスに在住する著者がヨーロッパと日本の社会に質感、生活の質感の違いを豊かに表現してくれている。街の景観、交通、スポーツ、文化と著者がこの2年半に触れあい感じたことがエッセーとしてまとまれた。

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字幕の中に人生

字幕の中に人生 (白水Uブックス―エッセイの小径) Book 字幕の中に人生 (白水Uブックス―エッセイの小径)

著者:戸田 奈津子
販売元:白水社
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顔は見たこないが、「字幕 戸田 奈津子」はほんとによく見る。そんな戸田さんの字幕づくりの裏側がよくわかる。1秒間に3~4文字、10字2行の基本に沿ってつくられる字幕。字幕はすべて手書きでつくられていたとは、びっくり。字幕によって映画の印象ががらっと変わってしまうほど、影響力がある。ほんとに難しい仕事だというのがよくわかった。

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2008年12月 9日 (火)

憲法に生かす思想の言葉

憲法に生かす思想の言葉 Book

著者:辻井 喬
販売元:新日本出版社
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九条の会や民主主義文学会などでの講演をまとめたもの。「伝統」や「愛国」が憲法を変えたいという人たちによってゆがめられている。本来の日本の伝統、国を愛することの意味について再考させられる。敵を味方にするためにはタブーをうち破っていかなければならい。「この人は○○主義だから」というレッテル貼りもやめなければならない。革新的と言われる人の保守的な生活感覚も見直す必要がある。スローガンではなくて、読んで心にそのことが響く作品を。革新運動をすすめる陣営に手厳しい指摘が勉強になった。

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2008年12月 6日 (土)

わき役 ふけ役 いびり役

菅井 きん著「わき役 ふけ役 いびり役」

平成2年に出版された本、サブタイトルに「女優一筋45年」とあるから、今年で女優歴63年となるはずだ。「わき役と言っても舞台では、セリフをしゃべっている時は主役なんです。テレビでもカメラが自分に向いている時は主役なんです。」と、どんな役でもプロ意識を発揮することの大切さを語っている。60をすぎて、徐々に活動範囲を狭めていこうと考えていた菅井さん。あるロケで泊まった旅館。70歳と90歳の姉妹がきりもりしているのを見て考えが変わった。60なんてまだまだ、ひよこ、はなたれ小僧。興味を持ったことには果敢に挑戦していくバイタリティーあふれる生き方を続けていこうと心に決めた。そして仕事も積極的にこなしてきた。この度、82歳で初主演映画「ぼくのおばあちゃん」を撮った。役に必要なことなら何にでもチャレンジしていくという菅井さんの生き方がこの快挙につながったのだろう。

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2008年11月26日 (水)

傷ついた画布の物語

傷ついた画布の物語 傷ついた画布の物語

販売元:楽天ブックス
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戦没画学生慰霊美術館「無言館」の創立者である著者が画学生一人ひとりの生い立ちを追い取材した作品。表現したい、もっと勉強したい、そんな無念が濃厚に伝わってくる。若くして逝った画学生一人ひとりの姿を追うことによって見えてくる戦争の不条理。ここに登場する若者たちも戦闘で死んだ人は少ない、病死、餓死が圧倒的多い。あの戦争はなんだったのか、戦没画学生たちが私たちに伝えるものは…。

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2008年11月13日 (木)

目からハム

目からハム シモネッタのイタリア人間喜劇 Book 目からハム シモネッタのイタリア人間喜劇

著者:田丸 公美子
販売元:朝日新聞出版
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「目からウロコ」と同じ意味合のことをイタリアでは「目からハム」と言うらしい。薄い生ハムが目から落ちるような感覚をさしている。本書はイタリア語同時通訳者の著者のエッセー集。明るくすけべなイタリア人が随所に登場する。通訳者としての失敗談も満載。ニヤリとほくそ笑む作品でした。

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ガセネッタ&(と)シモネッタ

ガセネッタ&(と)シモネッタ (文春文庫) Book ガセネッタ&(と)シモネッタ (文春文庫)

著者:米原 万里
販売元:文藝春秋
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品のいいシモネタが数編、あとはロシア語同時通訳者としてのエピソードと言葉と人間の関係。著者のユーモアのセンスが生きたエッセー集。ちょっとした話のネタになる話題がいっぱい。

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光州の五月

光州の五月 Book 光州の五月

著者:宋 基淑
販売元:藤原書店
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1980年に起きた光州事件はよく記憶している。まだ就職して間もない時で、軍が学生・市民に発砲している、という報道に驚いた。しかし、事件の詳細はいっこうにわからなかった。二十数年の時を経て本書を読み事件の全体像がやっとわかったような気になれた。民主化運動に深く関わった著者が、小説という形で表現した光州事件は、深い闇と現在もなおこの事件が心の傷として生々しくうずいていることを教えてくれた。

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2008年10月28日 (火)

群青に沈め―僕たちの特攻

群青に沈め―僕たちの特攻 Book 群青に沈め―僕たちの特攻

著者:熊谷 達也
販売元:角川書店
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アメリカの本土上陸をまさに水際で阻止するため、海に潜って海中から上陸挺を爆破させる特攻隊が組織されていた。本書は事実にもとずいて描かれたフィクションである。60数年以上前の話だが、当時の文体ではなく、現代の表現で書いているので、不思議なリアル感で迫ってくる。まさに、現代の若者が主人公のように感じてしまう。特攻の描き方として新しい一面をみた想いがした。

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2008年10月27日 (月)

碁を打つ女

碁を打つ女 Book 碁を打つ女

著者:シャン・サ
販売元:早川書房
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日本の中国侵略と抗日運動に走る若者たち。従兄弟から習った碁を趣味とする女学生。日本軍の士官と女学生の話が交互に進んでいく。シンプルな文章ながら鮮烈な印象を与えるストーリーに没頭してしまう。在仏中国人の著者ながら日本のことをよく研究しているなと感心する。歴史と愛憎がからみあう驚くべき傑作であった。

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2008年10月20日 (月)

I have a dream.

牧師
マーチン・ルーサー・キング
(1929~1968)

I have a dream.

私には夢があります。いつの日にか人々は立ち上がり、兄弟としてともに生きるべく創られたということを知るにいたるときがくるでしょう。(略)今日なお私には夢があります。いつの日にか、戦争は終局にいたり、人々はその剱を田畑の鍬べらに打ち直し、その槍を植木の剪定鎌に変え、国々はもはやお互いに反発して立ち上がることがなく、もはや戦争について研究することもなくなるときがくるでしょう。
(「良心のトランペット」平和についてのクリスマス説教から)

良心のトランペット   [本] 良心のトランペット [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
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2008年10月15日 (水)

地獄の日本兵

地獄の日本兵―ニューギニア戦線の真相 (新潮新書 273) Book 地獄の日本兵―ニューギニア戦線の真相 (新潮新書 273)

著者:飯田 進
販売元:新潮社
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20万人以上の日本兵が上陸したニューギニア戦線の3年間の「戦闘」の真相に迫る作品。戦闘で死んだのはごく一部の兵士にすぎなかった。ほとんどの兵士が飢えと疲労とマラリアなどの伝染病で死んでいった。その凄惨な戦いをリアルに再現してくれる。あの戦争のひとつの真実がここにある。

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2008年10月14日 (火)

天安門

Book 天安門

著者:Shan Sa
販売元:ポプラ社
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1989年6月天安門事件が起こった。私の記憶にも鮮明である。その翌年著者は17歳で渡仏している。文化大革命から天安門事件まで激しい政治の転変に翻弄される人民たち。その影を鮮明に描いた作品。天安門事件の女性リーダーの幼少期の恋と別離がファンタジーたっぷりに表現されている。

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2008年10月10日 (金)

戸村飯店青春100連発

戸村飯店青春100連発 Book 戸村飯店青春100連発

著者:瀬尾 まいこ
販売元:理論社
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こてこての大阪の下町の中華料理屋が舞台の青春ストーりー。男兄弟ってこんなもんだよなって思わせる。そういえば俺も、中学入ってからは兄貴とほとんど口をきかなかったあ。家になじめない長男と周囲に自然ととけこめる若者らしい次男。対照的なふたりの描き方がおもしろかった。

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2008年10月 9日 (木)

パソコン〈新聞&ビラ・チラシ〉編集入門

パソコン〈新聞&ビラ・チラシ〉編集入門 「パーソナル編集長」 Book パソコン〈新聞&ビラ・チラシ〉編集入門 「パーソナル編集長」

販売元:日本機関紙出版センター
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前作「パソコン新聞編集入門」に大幅加筆・修正。最新バージョンに対応させた。特にビラ・チラシ編は上級テクニックがふんだんにわかりやすく紹介されている。2章は私が執筆しているのでよろしく。

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2008年10月 6日 (月)

愛のあとにくるもの

愛のあとにくるもの Book 愛のあとにくるもの

著者:孔 枝泳
販売元:幻冬舎
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熱い熱い日韓ラブロマンス。しかし、ただのラブロマンスではない。二人には日韓の苦い歴史の重みが覆い被さってくる。大の日本嫌いの祖父の言葉「若いお前たちにこれ以上我々の傷を引き継がせてはいけな」が心に響いた。辛く哀しい歴史を正視しながら、しっかりと前を見る主人公に共感した。

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2008年9月24日 (水)

何も持たず存在するということ

何も持たず存在するということ Book 何も持たず存在するということ

著者:角田 光代
販売元:幻戯書房
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2002年から2008年までに書かれたエッセーをまとめた1冊。エッセーはその人のプライベートな部分が垣間見えておもしろい。小さい頃から作文が好きだった著者は、作文以外に興味はなくおかげで大の数字嫌いになったそうだ。他人の幼少期のエピソードを読むのもなかなか楽しいものだ。後半には作品につながるエピソードもあって興味深く読めた。

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私たちの幸せな時間

私たちの幸せな時間 Book 私たちの幸せな時間

著者:孔 枝泳
販売元:新潮社
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資産家の娘と貧しく暴力をふるう父の家庭で育った青年、傲慢と誠実、虚飾と真実、罪と罰そして生と死。みごとなコントラストに彩られたヒューマンストーリー。まさにうちのめされるような1冊です。著者は1997年12月30日、過去数十年で最大の規模の23人に対する死刑執行のニュースを聞いたのがきっかけとなり本書を描いた。犯罪と被害者とその家族、刑務官、教導官、弁護士、死刑囚、修道女、神父と取材を重ねて、その恐怖感と闘いながら構想していったという。それだけに、ノンフィクションばりのリアルさと迫力に満ちている。訳者の蓮池さんが書いておられるように、読んでいる時は「重い」が読んだ後は心が「軽くなる」、、重厚な作品でした

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2008年9月20日 (土)

庭の桜、隣の犬

庭の桜、隣の犬 (講談社文庫) Book 庭の桜、隣の犬 (講談社文庫)

著者:角田 光代
販売元:講談社
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お互いなんの影響も与えない夫婦。そんな夫婦のあり方をコメディータッチで描く。混じり合わない人間どうしの希薄な関係が微にいり細にいり描かれていておもしろい。

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2008年9月18日 (木)

猛スピードで母は

猛スピードで母は (文春文庫) Book 猛スピードで母は (文春文庫)

著者:長嶋 有
販売元:文藝春秋
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表題作と「サイドカーに犬」を収録。1970年代産まれの少年時代の描写が懐かしく楽しかった。シャイな親子の荒っぽいがやさしい会話が心をあたためてくれる。

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2008年9月16日 (火)

テロリズムと戦争

Book テロリズムと戦争

著者:ハワード ジン
販売元:大月書店
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アフガンへの報復戦争を開始した直後のブッシュ大統領の支持率は90%を超えた。アメリカのリベラル、平和主義者と呼ばれる知識人も次々と報復戦争へ賛意をしめした。そんな中で一貫して戦争反対を唱え続けた著者はまさに国家反逆者並みの攻撃にさらされた。マスメディアも戦争批判はいっさい流さない方向へと流れていった。ブッシュ大統領の「もしあなたがわれわれの側につかないならば、あなたはテロリストの味方である」の言い回しは怖ろしいものがあった。まさにこの論理がマスコミ界にも蔓延したのである。戦争への批判者は国家への裏切者のような批判にさらされたのである。これが世界に広めようようとするアメリカの「民主主義」なのである。

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ボローニャ紀行

ボローニャ紀行 Book ボローニャ紀行

著者:井上 ひさし
販売元:文藝春秋
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ボローニャは市民のレジスタンスでナチスの侵略をうち破った都市だ。その闘う伝統が今も息づいている。戦後、アカの街には補助金を出さないという攻撃にも、毅然と受け取らずがんばった心意気がすごい。市民の街を愛する心情、心意気に感心する。まさに連帯と協同の街づくりが実践されている。協同組合方式で事業化して行政が補助して成功させる知恵に感心した。こんなに愛せる自分たちの街があるということにうらましさを感じた。

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2008年9月 6日 (土)

ミャンマー

ミャンマー―失われるアジアのふるさと Book ミャンマー―失われるアジアのふるさと

著者:坂斎 清,乃南 アサ
販売元:文芸春秋
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ミャンマーに住み、生きる人々の息づかいがほんのりと伝わってくる。日本のニュースから漠然と感じる「怖ろしい国」というイメージとは違うミャンマーの姿がここにある。貧困にあえぐ人々、ひたすら祈る人々、祭りを精一杯楽しむ人々。日本から訪れた旅人にやさしい態度で接してくれるミャンマーの人々。何度持てもあきない素晴らしい写真がリアルにこの国の人々の一断面を伝えてくれる。そして、この国には第二次世界大戦で日本軍によって侵略された傷跡が生々しく残っている。

引用

「祖先とよぶにはあまりにも近い世代の日本人が刻みつけた歴史を、どう感じ取り、自分の中でどう処理すれば良いものであろうか。(略)たとえ戦争の実態を知らない世代であっても、この国の至る所に広がる緑を眺め、亜熱帯の強烈な陽射しと湿度の高い空気の中に身を置けば、時としてヒルに血を吸われ、マラリア蚊に全身を刺されながら、喘ぐように深い森の中を進まなければならなかった日本人たちのことを思わないわけにはいかない。なぜ、こんなところまで来なければならなかったのかと思う。哀れさと無念さ、憤りとやるせなさに胸が痛む。

 同時に、勝手に踏み込んでこられて、何もかも奪われなければならなかった土地の人々のことも考えずにはいられない。彼らこそいい迷惑だ。イギリスといい、日本といい、国境を隔てた隣国ですらないのに、わざわざ遠いところからやってきて、人の土地を踏み荒らし、破壊し、血を流させ、家族を奪い、どれほどの人生を変えてしまったか。」

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2008年9月 2日 (火)

心臓に毛が生えている理由

心臓に毛が生えている理由 Book 心臓に毛が生えている理由

著者:米原 万里
販売元:角川学芸出版
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新聞や雑誌に書いたエッセーをまとめた1冊。思わずニヤリとしてしまうセンスのいい文章がつまっている。彼女の代表作「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」を書くきっかけなどもしたためられている。彼女の子ども時代を書いたエッセーが特に面白かった。題名は同時通訳者の心意気を描いたエッセーからとったもの。

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ハロー、僕は生きているよ。

ハロー、僕は生きてるよ。―イラク最激戦地からログイン Book ハロー、僕は生きてるよ。―イラク最激戦地からログイン

著者:カーシム・トゥルキ
販売元:大月書店
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アメリカ軍がイラクで何をやってきたか。メディアは報道しない。その一端が本書から見えてくる。ファルージャの近くの町ラマディに住む青年が書いたブログとメールを元に彼の友人、高遠菜穂子と細井明美が再構成したもの。米軍に怯える住民、家族を殺され怒りに震えレジスタンスにむかう青年たちの姿がリアルに描写されている。著者のカシームは徹底して非暴力でこの事態を改善したいと願い、行動する。彼の願いが実現し、ラマディに平穏な日々が戻ってくる。今、彼らのの手で町の再建が取り組まれている。

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性的マイノリティー

聞きたい知りたい性的マイノリティ つながりあえる社会のために [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
セブンアンドワイ ヤフー店で詳細を確認する

人口の4%くらいは性的マイノリティーの傾向を持つ人がいる。意外と多いのに驚く。オビに鰺坂氏が「人類最後の人権問題」と書いている。私自身も知らずに、または気づかないうちに、人権を踏みにじるような態度や発言をしてきていたのかもしれない。本書は日本共産党や支持者、民主勢力のなかでもこの問題に対する認識が遅れている部分があることを指摘し、性的マイノリティーの人たちがのびのびと活動できる環境こそ大切と訴えている。

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2008年8月25日 (月)

平和へのアクション101+2

平和へのアクション101+2―戦争やテロのない世界の実現に向けて Book 平和へのアクション101+2―戦争やテロのない世界の実現に向けて

著者:メリーウイン・アシュフォード
販売元:かもがわ出版
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反核医師の会発足20周年の記念事業として出版された。著者は元核戦争防止国際医師会議の元会長を務めていた。医師として勤務するかたわら20年以上反核運動に携わってきた著者が、一市民が平和を訴えていくためにどうしたらよいかを具体的にかつ実例豊富に書き記した1冊。関わりのあるHPのアドレスも明記されていて便利。各ユニットに乗せられている著名人や平和運動家のメッセージも心に響くものがある。

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反貧困

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書 新赤版 1124) Book 反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書 新赤版 1124)

著者:湯浅 誠
販売元:岩波書店
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貧困は容易には「みえない」。貧困に喘いでいる人々は決して社会の明るい場所には出てこない。「みえない」から存在しないのではない。この十数年で貧困に喘ぐ日本国民は確実に急増してしまった。貧困は個人の問題ではなく社会の問題だ。そういう視点からこの問題をとらえ、永くホームレスの問題と取り組んできた経験から、現代日本の貧困の実相をリアルに告発している。最後に筆者は貧困が戦争を産み出すと警告している。

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2008年8月11日 (月)

自衛隊員が死んでいく

自衛隊員が死んでいく―“自殺事故”多発地帯からの報告 Book 自衛隊員が死んでいく―“自殺事故”多発地帯からの報告

著者:三宅 勝久
販売元:花伝社
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武富士から1億1000万の損害賠償を求める口封じ裁判をおこされ話題をよんだ著者が、自衛隊員の借金が元での自殺の多さに気づき取材が始まった。そこから自衛隊員の異常な自殺率、組織の閉鎖性が浮き彫りになってきた。本書ではいじめによる自殺から遺族が国倍訴訟をおこした例や婦人自衛官のセクハラ訴訟などがとりあげられている。それぞれ裁判で明らかになった事実をもとに、丹念な取材がなされている。自衛隊という組織は国民を守るより、自らの組織を守ることの方を優先する組織だ、ということがよくわかった。戦艦武蔵のさいご (フォア文庫 C 17) で乗組員の渡辺清が描いた、古参兵が後輩の兵をいびり、いじめ、暴行を加えるという旧軍の図式は全く変わっていない。旧日本軍の血が脈々と現在の自衛隊に受け継がれているとは驚きであった。現代日本の常識が通用しない巨大組織が多額の税金で賄われているとは!!怒りを感じずにはおれない1冊でした。

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2008年8月 5日 (火)

パーソナリティー障害

パーソナリティ障害  /矢幡洋/著 [本] パーソナリティ障害 /矢幡洋/著 [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
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アメリカ精神医学界が定めたDSMという類型化に沿った解説書。セオドア・ミロンという学者が確立したパーソナリティー障害の11のカテゴリーを事例にもとづき、わかりやすく解説している。

パーソナリティー障害は病気とは言えない。その人の個性の一環とみなせるものだ。しかし、そのパーソナリティーによって他人に被害が及ぶ場合、それが誰からみても異常と思われる場合、病気という認識になり、治療が必要とされる。

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福袋

福袋 Book 福袋

著者:角田光代
販売元:河出書房新社
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8編の短編小説集。人はとんでもなく見かけによらない者である。それに突然気づいてしまう恐怖感。兄弟や恋人、配偶者、親、わかっているようで、自分の全く知らない一面をかいま見たときの納得のいかなさ、驚き、やるせなさ。なかなかに奥の深い短編集であった。

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2008年7月31日 (木)

日本国憲法は「時代遅れ」か?―九条が武力紛争に挑む

日本国憲法は「時代遅れ」か?―九条が武力紛争に挑む Book 日本国憲法は「時代遅れ」か?―九条が武力紛争に挑む

販売元:学習の友社
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憲法九条が現代の国際社会で実際にどんな役割を果たしているかをわかりやすく解説してくれる。憲法九条が単なる理想ではなく、現実社会の中で大きな役割を果たしているし、平和を求める世界の人々の大きな支えになっていることがわかる。アフガニスタンやイラクの問題解決にも憲法九条を持つ国だからできることがある、ということを力説している。

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2008年7月29日 (火)

カゼヲキル2 激走

カゼヲキル 2  激走/増田明美/著 [本] カゼヲキル 2 激走/増田明美/著 [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
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カゼヲキル1は主人公・山根美岬のランナーとしての芽生え、中学時代までを描く。本書はその続き。陸上の名門高校に入学するまでの葛藤と、類まれな心肺機能を発揮して、それまでの鬱屈を晴らす様子を綴る。
増田明美さんのマラソン解説は一流だと思う。一人一人の選手をよく取材されていて、素人をも興味深く導く。
そんな彼女の誠実さをあらためて感じる小説だ。
走るとは・走る力とは・勝者、敗者とは・育んでくれる人達の思いを力にできるのはどんなランナーなのか…など平易な文章で考えさせる。
カゼヲキル3は8月1日発売。社会人になった美岬はどんなランナーになっているのだろうか。今からとても楽しみだ。

AKIYO記

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2008年7月22日 (火)

科学の扉をノックする

 科学の扉をノックする 科学の扉をノックする
販売元:セブンアンドワイ
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著者の要望に基づきその世界の最先端の研究者を訪ね、インタビューするという企画。宇宙もミクロの世界の研究者も全体の3%ほどしか、まだ科学的に解明されたにすぎないと語っているのがおもしろかった。その、たった3%の最先端はすごいところにきているというのが実感できた。「遺体科学」の世界は著者の作品そのものの世界が現存しているのかのようだった。最後はタイガースでしめくくるところが、しゃれているというか、わがまま。

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私たちの希望はどこにあるのか

私たちの希望はどこにあるか 今、なすべきこと   [本] 私たちの希望はどこにあるか 今、なすべきこと [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
セブンアンドワイ ヤフー店で詳細を確認する

2003年9月21日の「加藤周一講演と対話のつどい」の講演・質疑をまとめたもの。加藤氏は戦争反対へ「まだまだできることがある」と訴える。また、小さなグループの活動が横の連帯を作れば大きな力になる。戦争を止める力にもなりうる。そのひとつの節目が選挙。戦争というのはもっとも政治的な現象だ。政治への関心がなければ反戦はなりたたない、と若者に訴えている。

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国連とアメリカ

国連とアメリカ (岩波新書) Book 国連とアメリカ (岩波新書)

著者:最上 敏樹
販売元:岩波書店
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国連は不法な戦争を続けるアメリカをなぜ裁けないのかがよくわかった。国連安保理の5大国に拒否権を与えた事により5大国が当事者になる戦争に安保理は機能しない。しかし、非同盟諸国の台頭により、大国の不当な行為を総会で告発するという手段もある。アメリカは国連が自国の国益に沿わないと判断すれば、国連を無視する、または強硬に反発するという手段をとる。大統領が替わったくらいでは、この体質は大きく変化しなのではないかと感じた。国連がこれまでやってきた平和維持活動も失敗例が多い。国連がお墨付きを与えたから日本も参加することが国際貢献につながるとは、ストレートには言えないことがよくわかった。「武力で平和はつくれない」というのがこれまでの大切な教訓なのだ。

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2008年7月16日 (水)

死んだらいけない

石川 文洋 死51pxh8annfl_ss500__3んだらいけない

ベトナム 、ラオス、カンボジア、ユーゴ、ボスニア、アフガニスタン、戦場カメラマンとして戦地を見つめてきた著者が悩む若者に送るメッセージ集。命が軽く扱われる戦場をみてきたからこそ発せられる、ひとつひとつの命の尊さ。生きることの大切さを貴重な写真と熱いメッセージで伝えてくれる。

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2008年7月11日 (金)

永遠平和のために

永遠平和のために Book 永遠平和のために

著者:イマヌエル・カント
販売元:綜合社
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210年も前にカントが71歳の時に書いた本だ。当時ヨーロッパは戦争に明け暮れていた。哲学者カントが戦争のない世界を実現をするため、将来の人類に送った基調なメッセージだ。210年たった現代にも通用する平和への基本原則がここには示されている。

「戦争状態とは、武力によって正義を主張するという悲しむべき非常手段にすぎない。」

「いかなる国も、よその国の体制や政治に、武力をもって干渉してはならない」

「内部抗争がまだ決着をみていないのに、よそから干渉するのは、国家の権利を侵害している。その国の国民はやんだ内部と戦っているだけで、よその国に依存しているわけではないからだ。」

「対外紛争のために国債を発行してはならない」

「常備軍はいずれ、いっさい廃止されるべきである」

「国の軍隊を、共通の敵でもないべつの国を攻撃するため他の国に貸すなどということがあってはならない。」

「殺されたり、殺されたりするための用に人をあてるのは、人間を単なる機械あるいは道具として他人(国家)の手にゆだねることであって、人格にもとづく人間性の権利と一致しない。」

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2008年7月 7日 (月)

という、はなし

という、はなし Book という、はなし

著者:フジモト マサル,吉田 篤弘
販売元:筑摩書房
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筑摩書房のPR誌「ちくま」の表紙に2年間掲載されたさくひん。フジモト氏の「読者の情景」というテーマのイラストレーションに吉田篤弘氏が文章を添えた作品。ノスタルジックでゆったりした時間の流れる異空間を感じさてくれる。

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2008年7月 6日 (日)

ないもの、あります

ないもの、あります Book ないもの、あります

著者:クラフト・エヴィング商會
販売元:筑摩書房
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「ないもの」を仕入れて商品化する。その商品カタログ集。たとえば、堪忍袋の緒、左うちわ、口車。転ばぬ先の杖等…。エビの養殖をネタに大金をかすめとった男は、たぶんここで最高級の口車を入手していたかもしれない。それを舌先三寸で操っていたのだろう。しかし、左うちわを入手するまえにお縄になってしまった。

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2008年7月 5日 (土)

憲法9条新鮮感覚

憲法9条新鮮感覚 憲法9条新鮮感覚

販売元:楽天ブックス
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9条の会よびかけ人の加藤周一氏は全国各地の講演会で憲法9条の大切を訴えている。そこで、参加者に老人が多く若者が少ないということに危機感を感じていた。また、海外への発信も重要だた感じていた。そこで、ドイツ語の翻訳者浅井イソルデさんと共同で企画したのが本書だ。日独9人の学生が憲法9条への思いを書き交流するというものだ。ドイツの学生が、ドイツの憲法にも侵略戦争は違憲という条文があるが、憲法9条はより未来志向だ、と指摘していた。日独両学生は共通して武力から平和は生まれない、それが自国の歴史から甚大な被害とひきかえに学んだことだとしている点が興味深かった。

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2008年7月 4日 (金)

草の巣

51qwbvs6z8l_sl500_aa240__2 角田光代

草の巣

「草の巣」と「夜かかる虹」を収録。「草の巣」は、ねっとりとした無口な男が架空の「家」をつくろうとする物語。私は「夜かかる虹」の方が面白かった。姉妹のねじれた感情がリアリティーたっぷりに描かれていて、少し怖い。

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2008年6月26日 (木)

リンさんの小さな子

リンさんの小さな子 Book リンさんの小さな子

著者:フィリップ クローデル
販売元:みすず書房
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この本に出会えてよかった。読み終わるのが惜しく思える本でした。水彩画のように淡くシンプルな文章の積み重ね。しかし、どんどん老人の思いが伝わってきます。戦争が生みだした悲しい物語をこれだけ淡々と描いた作品に今まで出会ったことがなかった。時をおいて、もう一度読み直したい1冊でした。

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2008年6月24日 (火)

レモンとねずみ

レモンとねずみ Book レモンとねずみ

著者:石垣 りん
販売元:童話屋
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石垣りんは高等小学校を出て日本興業銀行に入社、55歳の定年まで働き一家を支えるかたわら詩を書き続け、労働組合の機関紙に発表していった。2004年12月26日永眠。本書には2005年2月7日行われた「さよならの会」での谷川俊太郎さん、茨木のり子さんの弔辞が修められている。未刊の詩350編の中から40編を編者が選んだ作品集。

その中の一編の一部を転載

赤い紙の思い出

私たちは恐れました

一枚の赤紙が家にくばられることを

恐れはやがて現実となって

たくさんの家庭をおとずれ

赤い紙は連れ去りました男を

女は歌をうたって

勇ましく送り

多くの男はふたたび帰りませんでした

以下略

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2008年6月23日 (月)

ねにもつタイプ

ねにもつタイプ Book ねにもつタイプ

著者:岸本 佐知子
販売元:筑摩書房
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たしかに、子どもの頃ミシンにあこがれていたことがある。ボーッとミシンをながめていたこともある。そんな、こだわりのひちくち話が満載。笑えます。

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メフェナーボウンのつどう道

メフェナーボウンのつどう道 Book メフェナーボウンのつどう道

著者:古処 誠二
販売元:文藝春秋
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ビルマ(現ミャンマー)に派遣された従軍看護婦たちが病院を捨て350キロの道のりを撤退していく物語。戦場の病院では看護婦らしい仕草を完全に封印しなければならない。でも、これでいいのかと悩む看護婦たち。途中で合流する従軍慰安婦たち。「ビルカン」と呼ばれる現地で採用したビルマ人の若い看護婦。それぞれの心の内を繊細に描いた作品。

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2008年6月19日 (木)

ルポ貧困大国アメリカ

ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112) Book ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112)

著者:堤 未果
販売元:岩波書店
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黒田清日本ジャーナリスト新人賞を受賞した報道が教えてくれないアメリカ弱者革命―なぜあの国にまだ希望があるのか と重複する部分があるものの、さらに取材は深くイラク戦争がひきおこしている弱者へのしわ寄せに向かっている。最終章 世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」は、高い医療費などによって貧困層に陥った労働者が派遣労働者として戦場へ向かい、白血病に冒されさらに苦しい生活を余儀なくされる家族を描いている。戦地への派遣労働者は死んでも遺体は祖国に帰ることはない。また戦死者としてカウントされることもない。それは「自己責任」の一語でかたづけられてしまう。弱者の視点からのパワフルな取材がもうひとつのアメリカを教えてくれる。

あとがきから引用

一つの国家や政府の利害ではなく、人間が人間らしく誇りを持って幸せに生きられるために書かれた憲法は、どんな理不尽な力がねじふせようとしても決して手放してはいけない理想であり、国をおかしな方向に誘導する政府にブレーキをかけるために私たちが持つ最強の武器でもある。それをものさしにして国民が現実をしっかりと見つめた時、紙の上の理念には息が吹き込まれ、民主主義は成熟しはじめるだろう。

堤未果実インタビュー

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2008年6月13日 (金)

対話篇 Book 対話篇

著者:金城 一紀
販売元:新潮社
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中編3作が納められている。最後の「花」は以前映画を観ていたので、その感動が蘇ってきた。過去の過ちを忘れようと、一心不乱にえん罪の弁護活動に取り組む。25年かけて勝利をかちとる。そして、失ったものを思い出そうとする。失ったものの、あまりの大きさに立ち尽くす。映画もなかなかよかった。花 特別版

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2008年6月 9日 (月)

大好きな本

大好きな本 川上弘美書評集 Book 大好きな本 川上弘美書評集

著者:川上 弘美
販売元:朝日新聞社
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この人の書評は書き出しが面白い。思わず引き込まれる。こんな本を読むと、読みたい本が幾何級数的に増加してしまい、フラスレーションをおこしてしまう。でも、読みたい本がいっぱいっていうのがいいのかも。

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二人の長い影

二人の長い影 二人の長い影

販売元:楽天ブックス
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山田太一の舞台脚本。「二人の長い影」は劇団民芸の南原洋子さんが山田さんに自らの体験をつづった長文の手紙を送り、ぜひ脚本をお願いしたことから日の目をみた作品。ずーっと戦争体験を語ってこなかった主人公の思いが、56年という月日を経てやっと明らかにされる。戦争に断ち切られた青春。生死のかかった時にさらされる大人の汚い一面。少女の目から鮮やかに朝鮮半島からの帰国のドラマを現在とオーバーラップさせながら描いている。

「林の中のナポリ」はいかにも山田太一らしい作品。独特のセリフまわしも、おもしろい。南原洋子さんは、この作品を最後に逝ってしまった。

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あしたアルプスを歩こう

あしたはアルプスを歩こう (講談社文庫) Book あしたはアルプスを歩こう (講談社文庫)

著者:角田 光代
販売元:講談社
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テレビ局の企画でイタリア・アルプスをトレッキング。「これが初心者コースなんですか?」「雪がなければね」。予想外の大雪にトレッキングは雪山登りのなってしまう。「怖くないですか?」とガイドに尋ねる。「怖いと危ないは違います。危なくはありません」と答えるガイド。このガイドの人間性に惹かれる1冊だった。

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2008年6月 5日 (木)

妊娠カレンダー

妊娠カレンダー (文春文庫) Book 妊娠カレンダー (文春文庫)

著者:小川 洋子
販売元:文藝春秋
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著者はこの作品で芥川賞を受賞した。それまで連続4回芥川賞候補になっていた。妊娠カレンダーは怖い話である。妊娠というとてもウエットな行為をとても乾いた感覚で表現し、どこか冷たい視線を感じる。ひたひたと恐怖感が走るところがいい。

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2008年5月30日 (金)

余白の愛

余白の愛 (中公文庫) Book 余白の愛 (中公文庫)

著者:小川 洋子
販売元:中央公論新社
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心の中がスーッと癒されるような本でした。

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2008年5月29日 (木)

中国行きのスロウ・ボート

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫) Book 中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

著者:村上 春樹
販売元:中央公論社
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大阪人に言わせると「それがどないしてん」と裏拳でつっこみたくなるような短編集。でも、構成の巧みさ、物語の奇想天外ななりゆきに一気によんでしまった。

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2008年5月20日 (火)

カブール・ノート

51swjqgwx3l_ss500_ 山本 芳幸著

カブール・ノート

戦争しか知らない子どもたち

1979年12月25日のソ連軍のアフガン侵攻は衝撃的だった。翌年のモスクワオリンピックは西側諸国がボイコットした。あれから29年、アフガニスタンは戦争と内戦を繰り返していたのだ。戦争しか知らないこどもたちしかいないのだ。「とにかくみんな、出ていってくれ、我々の問題は我々だけで解決すると言いたいアフガン人が多いんじゃないだろうか」。タリバン政権がオサマ・ビン・ラディンをかくまっているというだけで報復戦争をはじめたアメリカ。タリバン政権が人権を侵害しているからと政権を崩壊させた。しかし、その後はアメリカの思い通りには進まず、内戦が激化しNATO軍が出動しているが、先が見えないたたかいになっている。もう、外国勢力はいっさい手をひき、アフガニスタン人の手に国の再建をまかせるしかないのではないか。西側や先進国の良かれと思って行う「人道的」な行いが悪い結果を産んできた歴史から学ぶ必要があるのだろう。アフガニスタンという国をちょっと知ることができた。

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創史改名

Book 創氏改名―日本の朝鮮支配の中で (岩波新書 新赤版 1118)

著者:水野 直樹
販売元:岩波書店
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「朝鮮人が名字をくれと言った」という自民党の麻生太郎氏の発言がこの本を書くきっかけになったという。「創氏」は強制ではなく、自発的に行うものという建前だが、実際には強制になっていった。その流れが事実に基づいて新資料をもとに語られている。創史改名に批判的な言動をおこなった者は国体を脅かす者として治安維持法で検挙された。日本と全く違う家族制度の国に日本の家族制度を強制したところに悲劇はおきた。子どもを利用した圧力で「創氏」を強制していった。「創氏」しなければ子どもが学校にも行けなくる。泣く泣く「創氏」して自殺した家主。多くの悲しい物語を産んだ源泉はなにか、民族の誇りは何かを考えさせてくれる。

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2008年5月12日 (月)

憲兵政治

憲兵政治―監視と恫喝の時代 Book 憲兵政治―監視と恫喝の時代

著者:纐纈 厚
販売元:新日本出版社
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2007年6月6日日本共産党の志位委員長が行った「自衛隊による違憲・違法の国民監視活動を告発する」という記者会見は大きな衝撃を与えた。内容は自衛隊がイラク派兵反対などの市民運動や労働組合の活動を監視していたというものだ。この時のマスコミ報道で軍事専門家が「軍隊が国内の治安情報を集めるのは当然」というコメントをだしていたのを覚えている。自衛隊が国民の意思表示である集会やデモ、宣伝活動を敵視し恫喝する行為が当然と言えるのか。本書は国民を監視し、戦争に異を唱える国民を治安維持法により逮捕し拷問した体制を分析し、現在の自衛隊の国民監視にいかにつながっているのかを論証している。

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2008年5月 8日 (木)

俘虜記

俘虜記 (新潮文庫) Book 俘虜記 (新潮文庫)

著者:大岡 昇平
販売元:新潮社
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人間そう簡単に死ねるものではない。死を覚悟しつつも、喉の渇きが身体をつき動かし生きのびた。飾らない文章と死を目前にして何をどう考えたのか、率直な描写が戦地をリアルに浮かび上がらせてくれる。

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2008年5月 7日 (水)

戦争熱症候群

Book 戦争熱症候群―傷つくアメリカ社会

著者:薄井 雅子
販売元:新日本出版社
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9・11以降、報復戦争一色に染まったかのようにみえるアメリカだが、5年が経過してそれもまだら模様になってきたようだ。公然とブッシュの先制戦略攻撃を批判して辞任する外交官や軍の将校たちも出ている。市民の中にも反戦の草の根運動が広がっている。テロリストを相手とした「永遠の戦争」で大もうけをしている軍需産業。年110兆円という税金を軍事費に充てるアメリカの歪んだ姿がリアルに一般市民の視点からレポートされている。最後のワタダ中尉のイラク戦争そのものを違法だとする裁判闘争は大変おもしろかった。違法なイラク戦争に協力すれば戦争犯罪者になるという論理は痛快だった。

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自衛隊の国際貢献は憲法九条で

自衛隊の国際貢献は憲法九条で―国連平和維持軍を統括した男の結論 Book 自衛隊の国際貢献は憲法九条で―国連平和維持軍を統括した男の結論

著者:伊勢崎 賢治
販売元:かもがわ出版
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アフリカのシエラレオネ、アフガニスタンで武装解除をとりしきった経験からの発言だけに説得力がある。日本が海外から抱かれているイメージがあったからこそ武装解除の大役が完遂できたという。憲法で戦争を放棄した国日本というイメージが海外では強いのだ。それが、アメリカの無法な戦争を支援しているということになれば、イメージはいっきに崩れる。だからこそ日本は憲法九条を武器にして国際貢献すべきなのだ、またこれをできる大国は日本しかないという主張は力強い。

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2008年5月 1日 (木)

日本の戦争―水上勉作品集

日本の戦争―水上勉作品集 Book 日本の戦争―水上勉作品集

著者:水上 勉
販売元:新日本出版社
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「輜重輸卒が兵隊ならば電信柱に花が咲く」とよく歌われたそうだ。輜重輸卒とは軍馬の世話をする兵隊のことを言う。勇ましい戦闘や悲惨な戦争体験は、たくさん作品になっているが輜重輸卒の経験を作品にした人はいなかった。あまりにも辛く語ることすらはばかられる体験だったのだ。「天皇の馬」はどんなことがあっても放馬してはならない。訓練中に何かの拍子に走り出す馬に引きずられても手綱を離さず、田んぼを引きずられるシーンはグットときた。「天皇の馬」と「一銭五厘の兵」の対比がよくあらわれていた。

水上 勉は昭和天皇が死んだ時、朝日新聞から「昭和と私」という原稿を依頼され「戦争を呪う今日を生きる」という一文を書いた。そこには一行の追悼の言葉もなかった。本書に全文掲載されている。

「上官にへつらい、自分にも嘘をつき、だまし、要領よく立ちまわらねば、鬼軍曹からスリッパで撲られた内務生活。めしの盛りのい少しでも多いアルミ皿にむかって、二十人の班兵が必死に殺到した食事時間を思い浮かべても、ぼくらは犬になっていたと思う。戦役は歌にあるように花々しいものではなく、人間をゆがめる日々だった。それゆえ、ぼくは戦争を呪う今日を生きる。」(平成元年1月11日 朝日新聞)

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2008年4月24日 (木)

魔女の1ダース

魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫) Book 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章 (新潮文庫)

著者:米原 万里
販売元:新潮社
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得意の下ネタもサービスたっぷりに披露してくれている。月刊誌「通訳・翻訳ジャーナル」に連載されたエッセーをまとめたもの。軽妙なユーモアの中にも「言葉とは何か」「民族とは何か」「人が人を評価する法則」「残酷さとは何か」「ユーゴの悲劇はどこからきたか」「日本はなぜここまでアメリカに従属的なのか」…という根元的な問題を考えるきっかけになる。楽しく読めて、こんな考え方もあったのかと、目からウロコの1冊。

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2008年4月23日 (水)

戦争か平和か

戦争か、平和か―「9月11日」以後の世界を考える (Somo‐somo sosyo) Book 戦争か、平和か―「9月11日」以後の世界を考える (Somo‐somo sosyo)

著者:小田 実
販売元:大月書店
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「正義の戦争はない」と論理的に言い切る著者の主張は明解そのもの。戦争が一端始まると、どんな手段を用いても勝とうとする。相手がきたない違法な手段を使えば、こちらはそれを上回るきたない違法な手段を使わなければ勝てない。戦争の本質を単純明快についている。しかし、戦争が悪だというのは、必ずしも世界に共通の常識ではない。「必要な戦争もある」という考え方が世界の常識だと指摘している。戦争のない世界をめざすために、いかに憲法9条が先進的な法制度かを力をこめて主張している。

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2008年4月15日 (火)

墜―沖縄・大学占領の一週間 Book 墜―沖縄・大学占領の一週間

著者:白川 タクト
販売元:新日本出版社
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2004年8月13日、米軍ヘリが墜落、沖縄国際大学に激突、大破するという事件がおきた。その後1週間のわたり大学当局の許可もなく現地を占領した米軍の一部始終が描かれている。墜落したヘリはイラクへ派遣される直前だった。イラク派遣に向けて突貫作業で機体の整備作業がなされているさなかに事故は落ちた。米軍は現場を封鎖した上、周辺の土壌30センチを掘り返して持ち帰った。後に、放射性物質の有無が問題になったが、日本側は検証のしようがなく米軍の回答をうのみするしかなかった。自治体や大学当局の許可なくおこなわれた事故現場の占領。マスコミへのカメラまでとりあげようとする異常な対応。再三の申し入れにもかかわらず県警の捜査を一切拒否。これらの事実から安保の実態が見えてくる。そして、日本がいかにイラク戦争と係わっているのかも見えてくる。

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いま平和とは

いま平和とは―人権と人道をめぐる9話 (岩波新書) Book いま平和とは―人権と人道をめぐる9話 (岩波新書)

著者:最上 敏樹
販売元:岩波書店
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戦争と平和を考える入門書として最適。時代とともに平和に対する考え方がいかに変化してきたかがよくわかる。いつまでたっても、この地球上から戦争がなくならない現実に絶望ばかりしていられない。本書を読めば希望への道筋が見えてくる。

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2008年4月 5日 (土)

それでも私は戦争に反対します。

それでも私は戦争に反対します。 Book それでも私は戦争に反対します。

販売元:平凡社
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2003年12月、イラクへの自衛隊派遣を前に日本ペンクラブ平和委員会は「得意のやり方でこの現実を表現しよう」と緊急出版を企画し翌年3月に発行されたのが本書。第1部 創作 では吉岡 忍の3分間のテレビ番組の取材でベトナム・ソンミ村を取材し た舞台裏を小説化したもの。日本のメディアに対するアメリカの圧力に恐怖感を覚えた。米村 万里の「バグダッドの靴磨き」はロシアの新聞の掲載された現地レポートをもとに事実にもとづいて創作されたもの。どこにでもいる少年が米軍の言う「テロリスト」に成長していくさまがリアルに表現されている。イラクやアフガニスタンでは、こんな現実が今も続いているんだと思わせてくれる。力作・意欲作がいっぱい。緊急出版の熱い思いにライターたちが短期間で熱く応えた1冊だ。

第1部執筆者

浅田次郎 阿刀田高 安西水丸 大岡信 小中陽太郎 辻井喬 道浦母都子 梁石日 唯川恵 吉岡忍

第2部 「手紙」

落合恵子 小林エリカ 澤地久枝 立松和平 長薗安浩 日垣隆 森達也 養老猛司 吉田司 

第3部 戦争表現の彼方

新井満 石坂啓 江川紹子 大石芳野 倉橋羊村 小谷真理 下重暁子 巽孝之 中西進 秦恒平 松本侑子 森詠 森まゆみ 渡辺えり子 

第4部 エッセイ

赤瀬川準 雨宮処凛 池澤夏樹 井上ひさし 轡田隆史 計見一雄 高橋千剱破 田原総一朗 西木正明 保坂正康 三好徹

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2008年3月31日 (月)

トヨタ世界一の光と影

トヨタ世界一の光と影 Book トヨタ世界一の光と影

著者:岡 清彦
販売元:いそっぷ社
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過労死裁判で初めて実名でトヨタを告発した内野啓子さん。みごとに勝利して、QC活動は業務だという判断がくだされた。QC活動を労働者の自主的な活動して一貫して業務であることを否定し続けてきたトヨタの姿勢が断罪された。世界一の企業のなんとも古い体質が露呈した事件であった。しかし、本書を読めばトヨタの古い体質の根深さがよくわかる。しかも、それを変えようという姿勢すらない。世界一の自動車企業と労働者を大切にしない古い企業体質の生むアンバランスがさまざま問題を引き起こしている。トヨタが日本の労働者全体の地位を引き下げる役目を果たしていることを実証してくれる1冊だ。

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2008年3月27日 (木)

これまでの登山、これからの登山

Book これまでの登山、これからの登山

著者:深野 一郎
販売元:本の泉社
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労山は創立時から、単に山に登るだけでなく、労働者の抱える問題、平和の問題を、自由に登山できる条件として位置づけてきた。その精神を理論化し、なおかつ誰にでもわかるように解説してくれているのが本書だ。「権利としての登山」という考え方は、年収200万円をきる労働者が1000万人を超えるような今だからこそ、再び輝いてくるのではないか。登山をしたいと願う人間が登山ができる社会的保障を求めていくのは当然の権利と見るべきなのだ。もはや、収入が低いのは「自己責任」で済む問題ではない。憲法に保障された、幸福追求権、「健康で文化的な生活」をおくる権利が、政府の政策によって阻害されているのである。「憲法と登山」という視点からいま一度現在の登山の置かれた問題を考え直したい。

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2008年3月25日 (火)

三面記事小説

三面記事小説 Book 三面記事小説

著者:角田 光代
販売元:文芸春秋
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三面記事小説

著者:角田 光代
販売元:文芸春秋
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実際の新聞の三面記事をモチーフにした6話の短編集。それぞれの扉に記事が載っているので、ある程度読む前にドラマを連想してしまう。しかし、それはみごとに裏切られ、思ってもいない事件の背景が浮かび上がってくる。それぞれの事件を引き起こす主人公の心の葛藤が伝わってくる。

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音をたずねて

音をたずねて Book 音をたずねて

著者:三宮 麻由子
販売元:文藝春秋
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文藝春秋のPR誌「本の話」に2年間連載されたもの。「音の原風景」を著者がたずねて取材するというものだ。著者の興味の赴くままに取材先が決められている。117で流れるあの時報をと流しているお姉さんに会いたい。あの声は中村啓子さんというプロのナレーター。エスカレーターで流れる声やモノレールや電車の駅で流れるナレーション、NTTドコモの留守番電話のナレーションも担当している、というから誰もが幾度も聞いたことがあるはずだ。美しい鼻濁音の練習をする所がおもしろかった。著者はテレビドラマ「相棒」の大ファンで毎回録音しているという。そこで「相棒」の効果音担当の方を取材。「相棒」の効果音は他のテレビドラマと比べるとかなり少ないらしい。しかし、まさに効果的に使われているためより印象深くなっているという。「相棒」らしい効果音というものができてしまっているのだ。効果マンの間では「足音3年」と言われ、足音がちゃんと作れるようになれば1人前と言われるそうだ。

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2008年3月18日 (火)

てれんぱれん

てれんぱれん Book てれんぱれん

著者:青来 有一
販売元:文藝春秋
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なんもせんとボーッとしてることを長崎あたりでは「てれんぱれん」と言うらしい。「そんなとこで、てれんぱれんせんと、こっち来て手伝うて」と怒れるお父さん。お好み焼き屋を切り盛りするお母さん。主人公は2人の長女。お父さんがてれんぱれんするには理由があった。1945年8月9日からお父さんは前を向いて生きられなくなったのだ。そんな父と小学生の頃から活発でお店を手伝い、お母さんといっしょに父を責めていた主人公。40年ぶりに、思わぬ事から父の深い愛を知る…。

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ブラフマンの埋葬

ブラフマンの埋葬 (講談社文庫) Book ブラフマンの埋葬 (講談社文庫)

著者:小川 洋子
販売元:講談社
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ブラフマンはサンスクリット語で「謎」という意味。まさに謎の小動物の、かわいらしい物語。先日見た「ウオーター・ホース」という映画の前半を思い出しながら読んだ。芸術家たちが創作に没頭する別荘の管理人の青年が主人公。豊かな自然ともの静かな人たちとのくらしにブラフマンがやすらぎを与えてくれていたのだが…。

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2008年3月14日 (金)

登山の誕生

登山の誕生―人はなぜ山に登るようになったのか (中公新書) Book 登山の誕生―人はなぜ山に登るようになったのか (中公新書)

著者:小泉 武栄
販売元:中央公論新社
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日本の場合1000年以上、山は信仰の対象であり登山は宗教的な行為であった。近代登山の歴史はたかだか100年にすぎない。江戸時代は富士山講、御岳講などの講の発達により、今で言うツアー登山が流行し登山の大衆化に寄与した。今の中高年登山ブームはそんな時代のDNAを彷彿とさせるものがある。登山の歴史は宗教の歴史だということがよくわかった。

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2008年3月12日 (水)

青い鳥

青い鳥 Book 青い鳥

著者:重松 清
販売元:新潮社
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吃音の国語の先生とひとりぼっちの生徒が織りなす九つの物語。「みんな」のように「ふつう」にコミュニケーションがとれない子どもたちを見つけ、そばによりそうだけの先生。先生はたいせつなことしか言わない。そして、「間に合ってよかったね」とつぶやく。

蛇足  「進路は北へ」で、日本の黒板はすべて西向き作られていることを初めて知った。黒板が西向きなら、左側が南になる。これが逆だと、右ききの人なら自分の手の影がじゃまになってノートをとりにくい。だから、日本の生徒はみんな西に向いて授業を受けているのだ。想像しみると、なんだかおもしろい。

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酔いがさめたら、うちに帰ろう。

酔いがさめたら、うちに帰ろう。 酔いがさめたら、うちに帰ろう。
販売元:セブンアンドワイ
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戦場カメラマンとして世界の紛争地帯を駆けめぐった。そこで見た戦場の狂気は彼の心を蝕んでいた。帰国してからまさに浴びるようにお酒を飲むようになり、アルコール依存症に。本書はアルコール依存症になり離婚して、吐血を繰り返し、入院してからのことが描かれている。まさに壮絶な話なのだが、当の本人の視点からユーモラスに表現されている。アルコール依存症という病気の恐ろしさがリアルに伝わってくる。登場する女医も豪傑でおもしろい。著者は2007年3月20日腎臓がんで42歳の若さでこの世を去った。

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